犬を飼っていると肛門腺絞りという言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。肛門腺絞りは必要のないワンちゃんもいますが、子犬や小型犬などの多くは絞ってあげないと肛門の病気になる可能性もあります。
ここでは犬の肛門腺絞りのやり方やポイント、注意点などをまとめてご紹介します。定期的に分泌物を出してあげて愛犬が不快に感じないようにしてあげましょう。
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犬の肛門腺って？
犬の肛門腺（こうもんせん）は肛門の左右斜め下にある一対の袋のことで、肛門嚢とも呼ばれます。肛門腺の中には強い臭いのする分泌物が入っており、その分泌物は液状からペースト状まで様々。
臭いも異なるので、犬や猫はこの臭いで相手を識別したり、縄張りに臭いをつけたりします。
肛門腺に溜まっている分泌液は通常、うんちをするときに一緒に排出されますが、中には肛門腺が排出されず溜まり続けていくワンちゃんも。そんなときは飼い主さんが肛門腺を絞ってあげる必要があります。
大型犬や中型犬は小型犬に比べてうんちと一緒に排出されることが多いよ！
犬の肛門腺絞りの頻度
愛犬が排便しているときに一緒に肛門腺の分泌物が出ている場合は、肛門腺絞りは特に必要ありません。ただ、子犬や小型犬など分泌物が排出されにくい場合は月に1回程度肛門腺絞りをしてあげてください。
肛門腺絞りのあとにすぐに洗えるよう、シャンプーをするタイミングで肛門腺絞りを行うのもおすすめです。シャンプーは月1〜2回程度が目安。
肛門腺に分泌物が溜まると、肛門を地面に擦り付けたり、しきりに舐めたりします。愛犬にこれらの行動が見られたら肛門腺絞りを行ってみてください。
犬の肛門腺を絞らなかったらどうなる？
愛犬の肛門腺に分泌物が溜まっているのに肛門腺絞りを行わないままでいると、病気になる可能性もあります。代表的な病気が肛門嚢炎です。
肛門嚢炎は肛門腺と肛門脇の間にある導管が閉じてしまったり、分泌物が溜まった肛門腺が細菌に感染したりすることが原因で発症。頻繁に下痢をする子や子犬、小型犬、肥満の犬によくみられます。
以下のような症状を見られたら、一度動物病院で検査してもらった方がいいです。
- 肛門周辺が腫れている
- 肛門を舐める
- 肛門を地面に擦り付ける
- 排便するときに痛がる
肛門嚢炎を放置すると、発熱や食欲低下などの症状もみられるようになり、さらに悪化すると皮膚に穴が開いて出血することもあります。治療が遅れると外科手術が必要になるので、早めに獣医師にみてもらうことが大切です。
犬の肛門腺の絞り方
肛門腺絞りは初めは難しく感じる方が多いですが、コツを掴むと簡単にできるようになります。動物病院やトリミングサロンなどでやってもらうこともできるのでアドバイスをもらいながらお手本を見せてもらいましょう。
- ティッシュ・ウェットティッシュ
- ビニール袋
肛門腺を絞ると分泌物が出てくるので、ティッシュやウェットティッシュで受け止めます。量が多いこともあるので、何枚か重ねて分泌液が手につかないようにしましょう。
肛門腺絞りに使ったティッシュはビニール袋に入れて口をしっかり締めてください。シャワーのときに肛門腺絞りをするのであれば、すぐに洗い流せるのでビニールは必要ありません。
ティッシュやビニールを近くに置いたら、愛犬を立たせて尻尾を上に高く持ち上げます。ピンとあげて少し犬の頭の方に倒すと、より肛門腺をみつけやすくなります。
飼い主さん一人で行う場合は、利き手と逆の手で尻尾を持ち、利き手で肛門腺絞りをするのがおすすめ！
尻尾を持ったもう片方の手の人差し指と親指で肛門腺をみつけます。肛門腺の位置は肛門を時計の中心と考えると4時と8時のところです。
分泌液が溜まっている肛門腺は人差し指と親指で触ってみると、少し膨らみが感じられます。
肛門腺がみつかったらそのまま肛門に向かって押し上げるように絞ります。あまり強く押しすぎるとよくないので、ゆっくり優しく絞り出してください。
その際、絞り出された分泌物が飛ばないようにティッシュで覆うことをお忘れなく。洋服などにつくとなかなか臭いが取れなくなります。
しっかりと分泌液が絞り出せたら、肛門の周りを清潔にしてあげます。ウェットティッシュで拭き取るか、シャワーで洗い流しましょう。シャンプーの前にするとより効率よくきれいにできます。
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犬の肛門線絞りで注意すること
飼い主さんが肛門腺絞りができるようになると便利ですが、いくつか注意すべき点もあります。愛犬があまりに嫌がる場合は慣れた人にお願いしましょう。
あまり力を入れすぎない
肛門腺絞りで分泌物がなかなか出ないからといって、力を入れすぎではいけません。強く押しすぎると肛門や周辺の皮膚に炎症が起きて愛犬を苦しめてしまう可能性があります。
勢いに注意
肛門腺絞りで出てくる分泌物は液状から粘土状まで様々で、出てくるときの勢いも予想できません。想像以上に勢いよく出てくることもあるので、しっかりとティッシュで覆い、周辺に飛び散らないようにしましょう。
分泌物の臭いに注意
犬の肛門腺の分泌液の臭いはかなりきついです。洋服やカーペットなどにつくとしつこく臭いが残ります。
できればお風呂場で済ませ、すぐに洗えるようにしましょう。もしどこかについた場合はすぐに拭き取り、シミにならないようにしてください。
犬の肛門腺絞りは月1回ペースで！
いかがでしたか？犬の肛門腺の中にある分泌物は、うんちと一緒に排出されることもあれば、そのまま溜まり続けてしまうこともあります。
愛犬が肛門を気にしている様子があったら、分泌物が溜まりすぎている可能性があるので肛門腺絞りをしてあげましょう。
慣れるまでは動物病院やトリミングサロンでお手本を見せてもらって、徐々にコツを掴んでくださいね！
