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犬の寄生虫の種類や症状は?予防法・対処法も解説

犬の寄生虫のなかにはよく聞くノミやダニのほかにも注意すべきものがいくつかあります。寄生虫の数や愛犬の体質によっては症状が重くなり、命の危険に関わる可能性も。

ここでは犬の寄生虫の種類や感染した場合の症状、対処法などをまとめてご紹介します。感染を予防をしたり、症状が悪化する前に駆虫したりできるよう、寄生虫について知っておきましょう。

犬の寄生虫の種類

犬を宿主とする寄生虫には主に以下のようなものが挙げられます。なかには感染すると重い症状が出るものもあるので、事前に予防したり、早期に発見・治療したりすることが重要です。

  • ノミ
  • マダニ
  • フィラリア
  • エキノコックス
  • 犬回虫
  • 犬鞭虫
  • 犬条虫

犬の寄生虫①ノミ

犬の寄生虫のなかで特に多くの飼い主さん、愛犬を悩ませるのがノミやダニでしょう。体長2mmほどの寄生虫で、小さな体からは想像がつかないほどのジャンプ力があり、犬や猫などに飛びつきます。

感染経路となるのは主に散歩中の地面や草むらです。通りかかった犬の足や腹部に飛びついてそのまま寄生してしまいます。人間の足に飛びつくこともあるので、飼い主さんもノミを家に持ち帰らないよう注意が必要です。

症状

ノミは犬の背中や脇の下、下腹、内股などに寄生することが多いです。症状には寄生箇所の赤みや湿疹、痒みがあり、犬が掻くことで傷や脱毛などの症状がみられることもあります。

なかにはノミの唾液成分にアレルギー反応を起こし、全身に皮膚炎が出るワンちゃんも。愛犬が体を痒がる様子などがみられたらノミやダニの感染を疑いましょう。

予防・対処法

ノミに感染しないようにするためには予防薬を定期的に使うようにしてください。ノミは夏に多いイメージがあるかもしれませんが、冬に感染する可能性もあるので年間を通して予防薬を使うことをおすすめします。

もし愛犬にノミが寄生しているのを発見したら、ノミ駆除剤を使います。ノミ取りシャンプーやブラシも活用し、愛犬の体のノミやノミの死骸などをしっかり落としましょう。

愛犬のベッドやラグなど洗えるものはすべて洗濯し、掃除機で念入りに家の掃除をしてください。

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犬の寄生虫②マダニ

マダニは体長約3〜8mmほどの寄生虫で、肉眼で見つけることができます。犬に寄生し、吸血したときには体が10倍ほどに膨れあがるので特によく見えるように。

感染経路は河川敷や草むら、山など緑が多く適度な湿気があるところで、通りかかった犬に飛びつき、寄生します。

春から夏にかけて活発になりますが、秋から冬にも卵から孵化した子どものマダニが増えるので年間を通して警戒しておきましょう。

症状

マダニは犬の目や鼻の周り、耳など毛が少ないところに寄生しやすく、皮膚炎や貧血、栄養障害などさまざまな病害を引き起こすことがあります。

マダニが媒介する感染症もあり、犬だけでなく人にも感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やライム病などにも注意が必要です。

予防・対処法

マダニ感染の予防には散歩の後の丁寧なブラッシングや定期的なシャンプー、予防薬の服用などが効果的です。寄生した時にすぐに気づけるよう、日頃から愛犬の体をよく触るようにしておきましょう。散歩中は草むらを避けることをおすすめします。

マダニに感染してしまったら動物病院でマダニ駆除薬を処方してもらいます。マダニをピンセットなどで引き抜こうとすると、口の一部が愛犬の体内に残ってしまうこともあるので自宅で行うのは極力避けてください。

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犬の寄生虫③フィラリア

フィラリア(犬糸状虫)と呼ばれる寄生虫は、蚊によって犬の体内に運ばれます。犬が蚊に刺されるとフィラリアの幼虫が血液から入り込み、0.3mmほどの大きさから半年後にはそうめんほどの長さまで成長。

心臓や肺動脈などに寄生しながら、さらに幼虫を生み犬の体にさまざまな病害を引き起こします。蚊が出るシーズンにしっかり予防することが重要です。

症状

犬がフィラリア症に感染すると、初期症状では元気や食欲がなくなったり、運動をした後に軽い咳が出たりするようになります。

寄生したフィラリアが心臓内を傷つけたり、血液の流れを妨げたりして心臓機能に支障が出ることも。重度になってくると激しい咳や呼吸困難、チアノーゼなどの症状も出て大変危険です。

予防・対処法

フィラリアは怖い感染症ですが、定期的に予防薬を使うことで発症をほぼ確実に防ぐことができます。予防薬は飲むタイプのものや滴下タイプのものがありますが、動物病院で受けられる注射タイプのものが効果が長続きするので便利です。

フィラリア症にかかってしまった場合は、呼吸器や循環器などに合併症がないか確認し、慎重に投薬治療を行っていきます。若い犬や体力のある犬は麻酔を使った外科手術でフィラリアを取り出すこともあります。

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犬の寄生虫④エキノコックス

エキノコックスはキタキツネや野ネズミを宿主とすることが多い寄生虫です。しかし、犬に感染する例もあり、感染した動物の糞便と一緒に排泄された虫卵が偶発的に人の体内に入ることで人にも感染してしまいます。

犬への感染経路は、犬がエキノコックスに感染した野ネズミを食べてしまうことです。犬同士や犬から猫、猫から犬へ感染することはありません。

症状

エキノコックスが厄介なのは感染してもほとんど症状が現れないことです。感染した犬の糞便には多くの虫卵が含まれるので、人へ感染しないよう十分注意が必要です。

人の場合も潜伏期間が長いため、初期症状が現れるまでに10年以上かかり、軽い症状が出てからも放置しておくと命の危険に関わることもあります。

予防・対処法

エキノコックスの感染から犬を守るためには、中間宿主である野ネズミを食べさせないことが重要です。散歩中はリードをつけ、流行地域では特に愛犬を放し飼いにしないようにしてください。

エキノコックスの成虫はプラジクアンテルを投与することでほぼ100%駆虫することができます。

犬の寄生虫⑤犬回虫

犬回虫は犬の消化管内に寄生します。4〜18cmの白く細長い寄生虫で、感染経路は虫卵を口から摂取することによる感染(経口感染)と母犬から子犬への感染(垂直感染)です。

回虫は人へも感染するので、感染した犬の糞便の処理には十分注意してください。

症状

犬が回虫に感染していても少数であれば無症状であることが多いです。しかし、回虫の数が増えると食欲不振や体重減少、下痢などの症状が出てきます。

愛犬の糞便中に白く細長い回虫が混ざって出てくることで感染に気づくこともあるでしょう。

予防・対処法

子犬は回虫症にかかりやすいので、定期的に糞便検査を行うことをおすすめします。母子感染を防ぐためには交配前に駆虫薬を使用するのが効果的です。獣医師の相談の上、ご検討ください。

回虫症になってしまった場合は駆虫薬を投与します。市販のものもありますが、他の寄生虫の有無などによって薬の種類が異なるので動物病院で処方してもらいましょう。

犬の寄生虫⑥犬鞭虫

犬鞭虫は体長約6cmで、鞭のようにみえる寄生虫です。犬の消化管内(盲腸や大腸など)に寄生し、消化器症状を引き起こします。

感染経路は感染した犬の糞便中に含まれる虫卵を口に含むことによる経口感染のみです。それらの虫卵は糞便の排泄後2〜4週間もの間感染能力があります。

症状

犬鞭虫は少数の寄生の場合は無症状のこともありますが、多数寄生したり感染が慢性化したりしてしまうとさまざまな症状がみられます。

主な症状は下痢や血便、脱水などです。慢性化して貧血や低タンパク血症がみられることもあります。

予防・対処法

他の寄生虫に比べて犬鞭虫の感染を予防するのは難しいといわれています。飼い主さんにできるのは、愛犬に他の犬の糞便や草を舐めさせないこと、疑いがあればすぐに駆虫を行うことでしょう。

駆虫薬としてはフィラリア予防薬として知られるミルベマイシンなどが使われます。飼育環境が変わらない限り、再感染することも多いので定期的に駆虫を行いましょう。

犬の寄生虫⑦犬条虫(瓜実条虫)

犬条虫は瓜の種のような片節が連なった寄生虫で、その形状から瓜実条虫とも呼ばれています。片節には虫卵が含まれており、感染した犬の糞便と一緒に排泄され、それをノミが摂取。

さらにそのノミを犬が口から摂取することで犬条虫に感染します。

症状

犬条虫は少数の寄生であればあまり症状が出ません。しかし、多数の条虫が寄生してしまうと体力や食欲が低下したり、嘔吐や下痢をしたり、とさまざまな症状が出てきます。

他の病気との区別が難しいため、動物病院で検査してもらうことが重要です。肛門周辺を気にする様子をみせる子もいます。

予防・対処法

犬条虫の感染予防にはノミの予防、駆除をしっかり行うことが大切です。ノミ取りシャンプーやブラシも活用し、愛犬にノミがつかないようにしましょう。

寄生してしまった場合は条虫駆虫薬を投与します。この際、ノミの駆虫を行うこともお忘れなく。

犬の寄生虫駆除薬の与え方

犬の寄生虫の予防薬や駆虫薬には、さまざまなタイプのものがあります。

錠剤を飲ませる場合は下顎を支え、少し顔を上に向けるようにして喉の奥に錠剤を入れ、口を閉じて喉元を何度かさするようにして飲み込ませます。

おやつ感覚で食べられるチュアブルタイプやクッキータイプのものや体に垂らす液体タイプのものもあるので、錠剤をうまく飲めない場合はこれらを活用しましょう。

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犬の寄生虫感染の予防方法や対処法などをご紹介してきましたが、いかがでしたか?なかには予防が難しい感染症もありますが、犬の寄生虫は散歩の後のブラッシングや定期的なシャンプー、予防薬の服用などで感染を防ぐことができます。

飼育環境を清潔に保ち、できる対策をして愛犬が寄生虫に苦しめられないようにしてあげましょう。