フレンチブルドッグやパグなどの短頭種と呼ばれる犬種は、先天的にかかりやすい病気がいくつかあります。
先天性疾患は予防が難しいですが、なかには皮膚炎など予防が可能なものも。
フレンチブルドッグがかかりやすい6つの病気の原因や症状をチェックし、予防や早期発見・治療に役立てましょう。
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フレンチブルドッグがなりやすい病気①水頭症
水頭症は脳の周りや脳の中の空洞部分に貯蓄され、クッションのような役割をしている脳脊髄液が過剰にたまってしまう病気です。過剰な髄液が脳を圧迫し、さまざまな症状が出ます。
水頭症の好発犬種はチワワ、マルチーズ、ポメラニアン、パグ、フレンチブルドッグなどです。小型犬種や短頭犬種に多いといわれています。
水頭症の原因には先天性のものと後天性のものがあります。先天性水頭症の場合、頭部がドーム状に張り出していたり、両方の黒目が外側に向いていたりします。
後天性の場合は脳の損傷や腫瘍、脳炎などが原因に。犬の水頭症の多くは脳室に髄液が過剰にたまる内水頭症と呼ばれるものです。
水頭症の症状は脳の障害を受けた部位や程度などによって異なります。よく見られる症状としては、疲れやすくなる、痙攣発作、嗜眠などです。
神経障害、運動障害、視力障害などさまざまな症状が重なって出ることもあります。散歩中にふらふらと歩いたり、同じ場所をぐるぐる回ったりする行動がみられた時も水頭症の可能性を疑いましょう。
フレンチブルドッグがなりやすい病気②熱中症
シーズーやフレンチブルドッグ、パグなど”鼻ペチャ”と表現されることのある犬種は短頭種と呼ばれ、体温調節がしにくいとされています。暑い季節の散歩では熱中症に、寒い季節には低体温にならないよう注意が必要です。
犬の熱中症は体温調節機能が働かなくなり、長時間高体温のままになったり、脱水になったりすることで生じる病気です。
口を開き激しく呼吸する「パンティング」で体温を下げようとしますが、それがうまく体温が下がらないと熱中症になってしまいます。
熱中症になると以下のような症状がみられます。
- 体が熱くなる
- ハッハッと苦しそうに激しい呼吸をする
- よだれが増える
- 目が充血する
- 落ち着きがなくなる
フレンチブルドッグがなりやすい病気③膝蓋骨脱臼
膝蓋骨と呼ばれる膝にあるお皿のような骨が正常な位置から外れてしまう状態のことを膝蓋骨脱臼(パテラ)といいます。内側に外れることも外側に外れることもありますが、多くの場合は内側に外れる内方脱臼です。
パテラは片足だけでなく両足に発症することもあり、悪化するといつも脱臼している状態になってしまいます。
パテラの原因には先天的なものと後天的なものがあります。先天的には成長期に骨や筋肉の形成に異常が生じ、発症してしまいます。
膝に強い衝撃がかかることで後天的に発症することも。交通事故や高いところからの転落などに注意が必要です。
膝蓋骨脱臼を発症すると散歩の際などに急に後ろ足を上げて、その足をかばうようにぎこちない歩き方になります。なるべく発症した足を地面につかないようにするので、スキップをしているようにみえます。
一時的な脱臼ですぐに正しい位置に戻ることもありますが、脱臼を繰り返し歩行が困難になってしまうこともあるので、愛犬の歩き方が変だなと思ったら無理に散歩させず、まずは動物病院で検査してもらってください。
フレンチブルドッグがなりやすい病気④鼻腔狭窄症
鼻腔狭窄症(びくうきょうさくしょう)は、フレンチブルドックやパグのような短頭種にみられる病気です。
呼吸困難を起こすリスクも高まるため、予防的に手術を行うこともあります。
フレンチブルドッグの鼻腔狭窄症は先天性によるものがほとんどです。しかし、感染症やアレルギーなどで粘膜が炎症して鼻腔が狭くなってしまうこともあります。
鼻腔が狭いことで呼吸がしづらく、寝ているときや軽い運動の後にグーグーと音を出しながら呼吸したり、口を開けて荒い呼吸をしたりします。
夏には熱中症のリスクも上がるので、十分に注意が必要です。
フレンチブルドッグがなりやすい病気⑤椎間板ヘルニア
ダックスフンドなどに多いとされる椎間板ヘルニアは、フレンチブルドッグでも発症することがあります。
犬の椎間板ヘルニアは激しい運動や肥満などが原因で椎間板に負担がかかり、脊椎の神経を圧迫することでさまざまな神経症状を引き起こす病気です。
椎間板ヘルニアでは腰を中心に手足にも痛みが及びます。愛犬が腰や手足を触られるのを嫌がったり、散歩に行きたがらなくなったりした場合は、椎間板ヘルニアかもしれません。
重度になると外科手術が必要となることもあるので、少しでも異変がみられたら早めに検査してもらってください。
フレンチブルドッグがなりやすい病気⑥皮膚炎
フレンチブルドッグは皮膚トラブルが多いといわれる犬種です。そのなかでも特にアトピー性皮膚炎を発症するワンちゃんは多いので、飼い主さんは注意してあげましょう。
皮膚炎は症状から原因を特定することが難しいので、愛犬の皮膚に異常がみられたら動物病院でしっかり検査してもってください。
犬の皮膚炎の原因は花粉やハウスダスト、ダニなどを吸引すること、常在真菌のマラセチアが増えてしまうことなど様々です。アレルゲンには他にも小麦粉、卵、豚肉などの食材も挙げられます。
皮膚炎になると体を痒がったり、皮膚が赤くなったりします。換毛期でないのに毛が抜けやすくなっている場合もよく皮膚の状態を確認してみてください。
犬のアレルギーの原因は何?症状や対処法まとめフレンチブルドッグがなりやすい病気まとめ
いかがでしたか?フレンチブルドッグは短頭種によくみられる熱中症や鼻腔狭窄症、水頭症のほか、皮膚炎にも注意が必要です。
愛犬のちょっとした異変に気付けるよう、日頃からスキンシップを取り、よく皮膚や体の状態を確認してくださいね。
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