我々が食べるものを犬が欲しがることがありますが、人間にとっては安全でも犬が食べると命の危険に関わる食材もあるのでドッグフード以外のものを与える際には十分注意が必要です。
ここでは犬が食べてはいけないものを理由とともにご紹介します。なかにはごく少量であれば食べさせてもいいものもありますが、与え方には注意し、なるべく与えないようにしましょう。
Table of Contents
犬が食べてはいけないもの〜肉類〜
- 加熱用の生肉
- 加熱した骨つき鶏肉
- ソーセージ
- ハム
- ベーコン
生肉は犬が食べてもいい食材ではありますが、焼肉用の肉などを生で与えるのは危険です。肉表面についた細菌やウイルス、寄生虫などが犬に感染してしまう可能性があります。特に豚肉はアレルギー反応を起こす子が多いため、与えないようにするか、与える場合は必ず加熱してください。
鶏肉は犬が好きな食材の定番ですが、骨付きのお肉を与える場合は注意が必要です。加熱した鶏肉の骨は縦に割れやすく、犬が噛むと割れて尖った部分が口の中や内臓を傷つけてしまう恐れがあります。骨はすべて取り除いて与えましょう。
ソーセージやハム、ベーコンなどの加工肉は保存料や着色料などの添加物が多く含まれており、塩分や脂質も犬にとってかなり多いことがほとんどです。
匂いにつられて寄ってきてほしそうにされるかもしれませんが、与えないでください。もし与えたい場合は犬用のソーセージを買ってあげましょう。
【お肉のおやつ】愛犬にあげたい手作りレシピ10選犬が食べてはいけないもの〜魚介類〜
- イカ
- タコ
- エビ
- カニ
- うに
- 貝類
- ししゃも
- しらす
- わかめ
犬がイカやタコを食べるとビタミンB1を破壊するチアミナーゼという成分が原因で、ビタミンB1欠乏症を発症するおそれがあります。寄生虫のアニサキスがいる可能性もあり、中毒症状を起こすことも。加えて消化にも悪いので、与えにはデメリットが多すぎます。
エビやカニも生で与えた場合、イカやタコと同じようにビタミンB1欠乏症を発症するおそれがあります。殻を誤飲したり、消化不良を起こしたりするリスクも高いので与えないようにしましょう。
うににはリンが多く含まれており、犬が食べると腎臓に大きな負担をかけてしまいます。リンの過剰摂取が原因で慢性の腎疾患になってしまうと療法食への切り替えなどが必要に。愛犬から食事の楽しみを奪わないためにも、うにを食べさせないようにしてください。
貝類のすべてが犬が食べてはいけない食材というわけではありませんが、犬は貝類をうまく消化できないのであえて与えることはありません。貝の内臓であるワタやウロは犬にとって毒性があることもあるので要注意です。
ししゃもやしらすは塩分が非常に多く、犬が食べると塩分過剰で健康を害するおそれがあります。匂いが強いため、犬が興味を示すかもしれませんが、少量でも与えないようにしてください。
食物繊維が豊富なわかめは犬にとって消化に悪い食材です。中毒などのリスクはありませんが、消化されずにそのまま便に出たり、下痢の原因になったりすることもあるので与えない方がいいでしょう。
愛犬にあげたい魚を使った手作りおやつ!簡単レシピ7選犬が食べてはいけないもの〜野菜〜
- 玉ねぎ
- ネギ
- にんにく
- ニラ
- らっきょう
- 唐辛子
玉ねぎやネギは犬が食べてはいけない食材と知っている飼い主さんは多いでしょう。犬が食べると玉ねぎ中毒を起こし、貧血でめまいや意識をなくすなどの症状がみられます。
そのほかにも嘔吐や下痢、呼吸困難などさまざまな症状を引き起こすこともあり、命の危険に関わる可能性も。少量でも、玉ねぎを使った料理の煮汁などだけでも与えてはいけません。
にんにくもネギ属であり、玉ねぎやネギと同じようなリスクがあります。肉料理ににんにくを使うことはあると思いますが、犬のご飯を作る時はにんにくを一切使わないよう注意してください。
犬がニラを過剰摂取するとハインツ小体性溶血性貧血が引き起こされ、大変危険な状態になってしまうことがあります。ニラそのものでは興味を示さなくても、ニラ玉やお肉と合わせた炒めものなどを食べてしまうワンちゃんはいるので、ニラを使った料理は愛犬が届くところに置かないようにしましょう。
らっきょうもネギ属に分類される食材で、犬が食べると玉ねぎ中毒のリスクがあります。らっきょう漬けも加熱したらっきょうも犬に与えてはいけません。
唐辛子の辛味成分であるカプサイシンは犬にとって刺激が強すぎます。犬が食べると口の中や内臓に痛みを感じたり、胃腸に悪影響を与えたりする可能性があるので注意が必要です。
【手作りおやつ】愛犬が喜ぶ野菜を使ったおすすめレシピ10選!犬が食べてはいけないもの〜果物〜
- ぶどう
- レーズン
- アボカド
- さくらんぼ
- レモン
犬がぶどうやレーズンを食べると、ぶどう中毒といわれる中毒症状を引き起こします。食べた後数時間以内に嘔吐がみられ、そのほかにも下痢や震え、呼吸速拍などを起こすこともあり、大変危険です。落としてしまって犬が誤飲するということがないよう十分お気をつけください。
近年、健康効果や美容効果があるとして注目されるようになったアボカドは、犬にとっては危険なペルシンという成分が含まれています。個体差はありますが、体質によっては呼吸困難やけいれんなど重度の中毒症状が出ることがあるので食べさせてはいけません。
さくらんぼは犬が食べてはいけない食材というわけではありませんが、種にはアミグダリン、花や葉の部分にはクマリンという成分が含まれており、これらが犬の体に悪影響を及ぼすおそれがあります。果実以外の部分の誤飲を防ぐためにも、愛犬にさくらんぼを与えないようにすることをおすすめします。
レモンの強い香りや酸味が苦手という犬は多く、興味を示すということはほとんどないと思いますが、もし欲しがる場合も与えない方がいいでしょう。防カビ剤や農薬が使われていたり、皮に含まれるソラレンという成分が中毒症状の原因になったりすることがあります。薄皮も与えないようにしてください。
犬が食べてはいけないもの〜その他〜
- チョコレート
- マカダミアナッツ
- キシリトール
- アルコール類
- お茶
- 牛乳
- コーヒー
- ココア
人間用のお菓子はどれも犬が食べてはいけないものですが、特にチョコレートは少量でも食べさせないよう注意が必要です。チョコレートに含まれるテオブロミンが分解、排出されずに犬の体に蓄積されてしまいます。その結果中毒症状を起こし、命を落とすことも。
犬がナッツ類を食べると消化不良を起こしたり、カロリーの過剰摂取となり肥満の原因になったりします。なかでもマカダミアナッツは中毒を引き起こす危険性があるので与えてはいけません。
歯磨き粉やガム、キャンディーなどに使われているキシリトールは、犬にとっては中毒リスクのある危険なものです。キシリトール中毒になると低血糖や急性の肝不全を起こし、命の危険に関わることもあります。少量でも大変危険なので十分注意してください。
人間がお酒を飲むと体内でアセトアルデヒトが分解され、無害化されますが、犬の場合はアルコールが無害化されず、長時間体内に残りかなり酔っ払った状態のようになってしまいます。少量でも致死量となる可能性があるので要注意です。
カフェインを含むお茶やコーヒーなどを犬が摂取してしまうと嘔吐や下痢、尿失禁などさまざまな症状がみられるカフェイン中毒を引き起こす危険性があります。てんかん発作を起こす場合もあるので、心臓病やてんかんなどの持病がある子は特に注意が必要です。
牛乳は犬が好きな味ですが、乳糖(ラクトース)が含まれており、犬はこれをうまく分解できません。そのため、牛乳を飲むと下痢や消化不良などの症状が出る子が多いです。手作りおやつなどで使う場合は犬用ミルクにすることをおすすめします。
ココアにはテオブロミンやカフェインが含まれており、犬が摂取するとチョコレート中毒とカフェイン中毒を引き起こす危険性があります。ココアが使われた市販のお菓子なども与えないようにしてください。
犬に与える食材選びは慎重に!
犬が食べてはいけないものやその理由などをご紹介してきましたが、いかがでしたか?ここでご紹介した食材は、体質や年齢などによってある犬にとってはそこまで危険ではないというものもありますが、念のためどれも与えないことをおすすめします。
愛犬に手作りご飯やおやつを作ってあげる場合は、必ず全ての食材が犬にとって安全かどうかを確認し、適切な方法で調理し、少量ずつ与えてアレルギー反応などがないか慎重に観察してください。