世界最古の愛玩犬としても知られるマルチーズ。
愛くるしく甘えてくれるマルチーズには、できれば病気とは無縁で健やかに過ごしてほしいものですよね。
今回は、マルチーズとすでに暮らしている飼い主さんや、これからお迎えしようかと思っている方にもぜひ知っておいていただきたいマルチーズがかかりやすい病気について解説していきます。
病気になりやすいようなNG行動など、予防法についてもご紹介しますので、ぜひご覧ください。
Table of Contents
マルチーズは病気になりやすい?
どちらかといえば丈夫といわれており、寿命も平均的なマルチーズ。
飼い主が大好きで甘えん坊な子が多いためか、健康観察がしやすいという特徴もあります。
そんなマルチーズは特別、病気になりやすい犬種というわけではありません。
ただ、抱っこが好きなため運動不足になりやすいのもマルチーズの特徴。
毎日のお散歩やおもちゃ遊びは、欠かさないようにしましょう。
さらに、いくつかマルチーズに多い病気もありますので、注意が必要です。
マルチーズの性格の傾向は?飼うときのポイントもマルチーズがなりやすい病気①心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)
心臓に関する病気でもある僧房弁閉鎖不全症は、病気になりやすいマルチーズも多いため注意が必要です。
特に僧帽弁閉鎖不全症は高齢になればなるほど病気になりやすいこととなりますので、普段から注意が必要なのはもちろん、定期検診をしっかり受けることなどが重要な予防法となるでしょう。
原因と症状
心臓の左心房と左心室の間にある弁(僧帽弁)がうまく閉じられなくなり、血液が逆流してしまうことが原因でおこる病気です。
症状としては、以下のようなものが多いでしょう。
- 食欲不振
- 咳
- 呼吸困難
予防法
病気になりやすいマルチーズも多い心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)ですが、残念ながら効果的な予防方法はまだ確立されていません。
ですが、心臓病は早期発見・早期治療が重要な病気となっていますので、定期検診や健康観察は欠かさないようにしましょう。
マルチーズがなりやすい病気②外耳炎
外耳炎とは、マルチーズなど垂れ耳の犬が病気になりやすい事例です。ひどくなると外耳だけではなく耳の奥や周辺などにも炎症が広がることもあります。
原因と症状
外耳(耳の穴から鼓膜までの間の部分)に炎症が起こる病気です。
耳の周囲に細菌やカビの発生が原因となるほか、異物やアレルギー物質の混入、腫瘍なども原因といわれています。
症状としては、以下のようなものが多いでしょう。
- 耳垢が増える
- 耳から異臭がする
- 耳をかゆがるような仕草をする
予防法
普段から耳の周りを清潔にしておくというのが、重要なポイントです。
とはいえ、刺激の強いシャンプーを使ったり高頻度で耳掃除をすると逆にそれが原因で外耳炎を引き起こすことも。
きれいにしようとやっきにしすぎず、適度なケアが重要でしょう。
また、定期的に耳まわりを観察したり専門家に見てもらうのも重要な予防法です。
マルチーズがなりやすい病気③涙やけ(流涙症)
「涙やけ」ともいわれる流涙症は、毛並みが真っ白なマルチーズにはよく目立つため、よくある事象としても知られています。
涙やけ自体は正確には病気ではないのですが、何らかの病気が隠されていることもあります。また、そのままにしておくと皮膚炎などを引き起こすこともあるので、早めに動物病院に相談することも重要です。
原因と症状
涙やけとは、何らかの理由で涙が出ている際にその涙で目の周りの毛や皮膚が変化するもの。
涙の原因によって対処法が変わるため、なるべく早く病院で診察をするのが良いでしょう。
主な原因には、目の病気や異常のほか、アレルギーなどが考えられます。
症状としては、以下のようなものが多いでしょう。
- 目の周りの毛が赤茶色になる
- 目ヤニが増える
予防法
原因により予防法は異なりますが、仮に目の周りの毛が目を刺激しているようでしたらトリミングなどをするのも重要です。
また、アレルギー体質のマルチーズの場合は、フードやケア用品を見直してみるのも良いでしょう。
マルチーズがなりやすい病気④膝蓋骨脱臼
マルチーズが病気になりやすいものの1つとして知られる膝蓋骨脱臼は、字のごとく膝蓋骨(後ろ足にある骨)が脱臼してしまう病気です。
「パテラ」ともいわれており、一生を通じて病気になりやすいマルチーズも多いため、飼い主であれば知っておくべき病気の一つです。
軽症の場合はサプリメントや薬で対応をすることもありますが、重症化した場合は外科的手術が選択されることもあります。
原因と症状
高いところから飛び降りたり、床で滑ってしまったりしたときにはもちろん、普段のお散歩などで足に負担がかかるとなりやすい病気です。
先天的なものや遺伝的なものもあるといわれています。
症状としては、以下のようなものが多いでしょう。
- 歩くときに左右のバランスが悪いように見える
- 段差などを嫌がる
- スキップのような仕草をする
- 内股になる
予防法
自宅の床が滑りやすい床なのであればカーペットなどを敷いたりします。
足の裏の毛も滑る原因になるので、量が多い場合や長くなっている場合はカットしておくと安心でしょう。
また、適切な体重管理をするのも膝の負担を和らげることにつながります。
マルチーズがなりやすい病気⑤シェイカードッグ症
シェイカードッグ症は、マルチーズにも多い病気としても知られています。
「小さな白い犬の震え症候群」ともいわれており、はっきりとした原因が分からないという特徴もあります。(※白い犬が病気になりやすいともいわれていますが、どんな色の犬でもなる可能性があります)
治療には、ステロイドを使うことが多いでしょう。
原因と症状
シェイカードッグ症は、はっきりとした原因がまだ突き止められていません。
興奮状態のときに病気になりやすいとともいわれていますが、そうでないこともあります。
また、治療方法も確立していないため対処が難しい病気の1つでもあります。
症状としては、以下のようなものがあります。
- 手足の震え
予防法
はっきりとした原因が分かっていないことから、予防方法も確立されていません。
若い犬が病気になりやすいともいわれていますが、まだ全てが明らかになっていないのが現状です。
マルチーズがなりやすい病気⑥皮膚炎
長い毛を持つマルチーズは、皮膚のトラブルに見舞われることも多々あります。
皮膚炎は、マルチーズにとって病気になりやすいものの1つといえるでしょう。
特に毛を長い状態でキープしているマルチーズがなりやすい病気ですので、毎日のお手入れは欠かさないようにしましょう。
原因と症状
毛のもつれや毛玉が原因になるほか、アレルギー、シャンプーなどの外部刺激が病気の原因と考えられています。
また、ノミやダニが原因となることもあります。
症状としては、以下のようなものが多いでしょう。
- 身体をしきりに掻いたりなめたりしている
- 身体を床や壁にこすりつけている
- 毛がいつも以上に抜ける
- 皮膚の炎症
予防法
アレルギー性の皮膚炎の場合には、そのアレルゲンから遠ざけることが重要になります。
シャンプーにアレルギー物質が含まれている場合は、使用を中止するほか、食事であれば除去食を行う、草花であればお散歩コースを変えるなどが良い予防法となるでしょう。
また、いつでも清潔を保っておくのも重要。
こまめなブラッシングはもちろん、家の中も綺麗にするよう心がけましょう。
ただしいくら予防になるからといって頻繁なシャンプーや強いブラッシングは肌を傷つけることもあるのでNGです。
マルチーズと暮らすなら、病気についても知っておこう
愛くるしく、また甘えん坊なマルチーズにはいつまでも元気でいてほしいもの。
病気にかからないために大切なのは、病気になりやすい原因を見極めて取り除き、きちんとした予防すること。
そして何よりも重要なのは、日々の健康観察です。
毎日のお世話や遊びの中で、マルチーズの様子に変わったところがないか、いつもとは違う仕草をしていないか、というのは常に観察するようにしてくださいね。
また、獣医さんによる健康観察というのもとても重要。
ぜひかかりつけの獣医さんに定期的に見てもらい、早期発見・早期治療を心がけてください。