犬は何でも口に入れたがり、ヒヤヒヤした経験はありませんか?そんな時、誤ってプラスチックを食べてしまう犬もいます。犬がプラスチックを食べてしまうと思わぬ病気になる可能性もあるため、早期の対処が必要です。
この記事では、プラスチックを誤飲して考えられる病気や対処法、日頃から気を付ける点を紹介します。
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犬がプラスチックを食べたらどうなる?
プラスチックは体内で消化されるわけではありません。
犬がプラスチックを食べると、物によっては病気になる可能性もあります。小さな破片のプラスチックであれば、嘔吐もしくは排泄物と一緒に出ることがほとんど。そのため、どんなものを食べたのか、大きさはどのくらいかによって症状は大きく違います。
命の危険も!犬がプラスチックを誤飲することでなる病気
ここからは、犬がプラスチックを食べたことで考えられる病気を挙げていきます。どの病気も、命の危険が伴う危険なものです。どのような病気になるのか、常日頃から頭に入れておきましょう。
気道閉塞
気道閉塞とは、プラスチックが気道で引っかかって気道をふさいでしまう病気です。気道閉塞は窒息死してしまうほど危険な病気のため、早急な対処が必要です。
【気道閉塞にみられる症状】
- 咳をする
- いびきをかく
- 普段とは違う呼吸をしている
- 呼吸困難
食道閉塞
食道閉塞とは、プラスチックが食道を通らず引っかかっている状態のこと。食道閉塞は誤飲したあとすぐ症状がみられるため、飼い主も対処しやすいのが特徴です。
ただし、犬は食事ができない状態なので、放置しておくと衰弱する可能性があります。
【食道閉塞にみられる症状】
- 誤飲して数秒~数分以内に大量のよだれが出る
- 吐こうとする
- 呼吸困難
腸閉塞
腸閉塞とは、腸に物が詰まり機能しなくなる病気です。腸閉塞は詰まった場所によって症状が異なります。とくに気を付けたいのが小腸。小腸に物が詰まると、お腹が膨れ腸管が壊死する可能性があります。
非常に危険が伴う病気のため、早急な対処が必要です。
【腸閉塞にみられる症状】
- 排便がない
- 嘔吐
- お腹が膨れる
- 便秘や下痢
- 食欲不振
腹膜炎
腹膜炎とは、お腹の内蔵部分が損傷したり炎症を起こしたりする病気です。プラスチックを誤飲すると、髪砕いた破片によって胃や腸に穴が開くことがあります。それだけではなく、損傷した部分から食べ物や細菌が外に流れ、細菌感染を起こす怖い病気です。
腹膜炎は発見が遅れると敗血症になる危険もあり、最悪の場合は死に至ります。
【腹膜炎にみられる症状】
- お腹が腫れているように見える
- 腹痛
- 発熱
- 嘔吐
- 脱水症状
愛犬がプラスチックを食べてしまった時の対処法
犬がプラスチックを食べた時は適切な対処が必要です。例え小さなプラスチックであっても病気の危険が迫っているので、自分で判断しないよう心掛けてください。
ここからは、実際に愛犬がプラスチックを食べた時の対処法を紹介します。応急処置をしたら、動物病院に行くことも忘れないようにしましょう。
①獣医師に連絡し応急処置の方法を聞く
犬がプラスチックを食べた時は、自分の判断で動かないようにしてください。まずは応急処置をするために、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。
獣医師に連絡する際は、なるべく細かい情報を伝えるのがおすすめです。プラスチックの大きさや、誤飲してどのくらい経過しているかなどを伝えると、応急処置の方法を教えてくれます。
【獣医師に伝える内容】
- プラスチックをどのくらい食べたか(大きさや形など)
- 誤飲してからの経過時間
- 現在の犬の症状
②無理に吐かせようとしない
犬がプラスチックを誤飲した場合、無理に吐かせようとする飼い主がいますが、これはおすすめできません。プラスチックの破片は先端になっていることもあり、吐かせる途中で体内を傷つけてしまいます。
また、犬を吐かせる方法として「塩」「オキシドール」を使う方もいますが、こちらは使わないようにしましょう。
塩を犬に飲ませると食塩中毒を引き起こしてしまいます。犬にとっては過剰摂取となり、嘔吐を繰り返す原因に。さらに悪化すると意識混濁の症状が出てしまいます。
オキシドールは胃や食道の粘膜を傷つける原因です。オキシドールを飲ませた直後には症状は現れないものの、食欲不振に陥りさまざまな症状を引き落とす可能性が高くなります。
いずれにせよ、自分の判断で対処しないのが安心。適切な処置は必ず動物病院で診てもらうようにしましょう。
③食べたかもしれないと曖昧な場合も動物病院へ
物によっては、犬がプラスチックを食べたかどうかわからないこともあると思います。曖昧な時も、動物病院で診てもらいましょう。
動物病院ならレントゲンでお腹の状態を診断してくれるため、愛犬の体の中がどんな状態になっているかわかります。プラスチックはレントゲンに写りにくい物質ですが、動物病院にはエコーを完備しているところもあります。
愛犬がプラスチックを食べたかわからない時も、動物病院で診てもらって何もなければ安心です。
犬が誤飲しやすいプラスチックの例
犬はどんなプラスチックを誤飲していまうのか、例に挙げて見ていきたいと思います。多くのものは家庭にあるものばかりです。ここに挙げたプラスチックの例は、普段から犬の届かない場所に置くよう気を付けてください。
- ビニール袋
- ボタン
- ヘアゴム
- ペットボトルのキャップ
- 子どものおもちゃ
- 犬のおもちゃの鳴き笛
犬のプラスチック誤飲防止対策
犬のプラスチック誤飲は、日頃から気を付けることで十分防止できます。愛犬と生活する中で、どんな点に気を付けたらいいのか防止策を紹介します。飼い主が注意するだけで、犬がプラスチックを食べる心配も防げるのでおすすめです。
犬にストレスを与えないようにする
犬はストレスを感じてしまうと、さまざまなものを噛むクセがあります。留守中にものが散乱していたり、ティッシュがびりびりにされていたりした経験はありませんか?もしかすると、犬にストレスが溜まっているかもしれません。
散歩は十分にできているか、留守番は多くないかなど今一度、愛犬との接し方を見直してみましょう。
正しいしつけをする
愛犬のしつけはちゃんとしていますか?正しいしつけをすることで、誤飲を防げる可能性があります。
例えば、お留守番の時は必ずゲージに入れる、散歩中の拾い食いをさせないというしつけです。「お留守番=ゲージ」ということを愛犬にわからせると、その間はいたずらができないので誤飲しにくくなります。
また散歩中の拾い食いは、何を食べるかわからないのでとても危険です。拾い食いをさせないしつけをすると、室内でも落ちているものを勝手に食べないようになります。
その他の誤飲防止策
愛犬にストレスもなく、しつけも十分していても犬は落ちているものを口にしてしまいます。とくに室内で飼っているなら、ここに挙げている対策を取るのもおすすめです。
- 物は引き出しや棚にしまって出しっぱなしにしない
- 床はつねに清潔に掃除をしておく
- ゴミ箱から物をあさらないよう蓋をする
- 噛んでも大丈夫なおもちゃを与えストレスを軽減させる
事前に気を付けておくだけで、愛犬がプラスチックを食べる機会も減らせます。
犬がプラスチックを食べたら迷わず動物病院へ急ごう
プラスチックはお腹の中で消化しません。小さなプラスチックであれば排便と一緒に出ることもありますが、ずっとお腹の中にあることがほとんどです。
プラスチックの誤飲はさまざまな病気を引き起こす原因になるので、犬がプラスチックを食べたらすぐに動物病院へ診察してもらうようにしましょう。
間違っても自分で対処しないよう心掛けてください。