愛犬により安全なドッグフードを選んであげたいけれど成分表や原材料の見方がよくわからないという方は多いのではないでしょうか。
ドッグフードの原材料にはわかりにくい名称のものや人が食べる食品には使われない添加物などが含まれることがあります。
ここではドッグフードに含まれる成分や注意したい原材料など、ドッグフードを選ぶ際に気になる情報をまとめてご紹介します。
Table of Contents
犬に必要な栄養素
犬に必要な五大栄養素はタンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルです。総合栄養食といわれるドッグフードにはこれらの栄養素がバランスよく含まれるよう計算されて作られており、このフードと水だけで毎日必要な栄養が摂取できるとされています。
必要な栄養素の割合は犬のライフステージや体質などによって変化するので、その時々に合ったドッグフードを選ぶことが大切です。
総合栄養食の他に間食(おやつ)や療法食もあるよ!
ドッグフードの成分表について
人間用の食品と同じようにドッグフードにも栄養成分の表示が義務付けられています。ただ、以下の例のようにドッグフードにはタンパク質や繊維質、脂質などの前に「粗」という文字が付いていることも多いです。
成分(保証分析値) | |
---|---|
粗タンパク質 | 25.0%以上 |
脂質 | 14.0%以上 |
粗繊維 | 2.3%以下 |
灰分 | 6.3%以下 |
水分 | 10.5%以下 |
これは純粋な成分以外の物質も含んだ分析値であることを表しています。例えば粗タンパク質はタンパク質に加えてアミノ酸やアミン類も測定しているということです。
成分表を見ることで、愛犬のライフステージや体のサイズに適しているか、肥満や痩せすぎなどの悩みに合っているかなどを知ることができます。脂質を見ると嗜好性の高さも見当可能です。
ドッグフードにはどんな成分が含まれている?
ドッグフードには犬の五大栄養素であるタンパク質・脂質・繊維質・灰分(ミネラル)・水分が含まれています。それぞれの成分がどのような働きをするのかを簡単にチェックしていきましょう。
犬の成長や健康維持にとって重要な栄養素であるタンパク質は、肉や魚、穀物などから摂取することができます。タンパク質は臓器や爪、被毛など体の多くの部分を作るのに必要で、高タンパクのドッグフードは免疫力の高い健康的な体づくりにおすすめです。
ただしタンパク質の過剰摂取は腎機能障害などの病気を引き起こすリスクもあるため、手作りフードを与える場合などはご注意ください。
主に肉や魚、乳製品などから摂取できる脂質は犬のエネルギー源になったり、血液やホルモンを構成したりするなど重要な役割を果たします。
また、脂質は犬の食いつきをよくする効果もあるのであまり食欲がないワンちゃんには少し脂質が多めのドッグフードを与えてみるのがおすすめです。必須脂肪酸(オメガ3・6)は皮膚や被毛、関節の健康維持を助けます。
成分表示で灰分と書かれているものはミネラルのことを表しています。ミネラルにはカルシウムやマグネシウム、リン、ナトリウムなどが含まれ、どれも犬にとって重要な栄養素です。
ただし、特定のミネラルが多いと他のミネラルの働きを阻害することもあるため、バランスが大切といわています。
成分表示で繊維や粗繊維と表示される繊維質は、下痢や便秘などお腹のトラブルを解決する効果が期待できる栄養素です。
食物繊維には脂質の吸収を抑制する働きや満腹感を保つ働きもあるため、よくダイエット用のドッグフードに多めに含まれています。
犬の体内の多くを占める水分も不足してはいけない大切な成分です。ただし、ドッグフードの中でも人気の高いドライフードにはほとんど水分は含まれていません。いつでも水を飲めるようにしておき、定期的に取り替えてください。
老犬になってあまり水を飲まなくなった場合はウェットフードや手作りご飯などで食事からも水分を取れるよう工夫しましょう。
<水分量の目安>
・ドライフード:10%以下
・ソフトドライフード:25〜35%程度
・ウェットフード:70%以上
ビタミン類やアミノ酸、ミネラル類などの栄養添加物は以下のように細かく表示されていることもあります。
- ビタミン類(A、コリン、E、B1、 B2、B6、葉酸など)
- ミネラル類(Cl、K、Na、Mg、Zn、Mn、Fe、Cuなど)
- アミノ酸類(L-ニチン、タウリン、DL-メチオニンなど)
ドッグフードの主な原材料
成分表示と同じようにドッグフードに使われている原材料の表示も義務付けられています。原材料表示からはアレルゲンとなる物質がないか、安全性はどうか、愛犬の好みに合っているかなどを知ることができて便利です。
原材料は以下のように表示され、使用した重量の多い順に並んでいます。
<原材料表示例>
肉類(鶏)、とうもろこし、とうもろこし粉、動物性脂肪、植物性分離タンパク、小麦、米、ビートパルプ、魚油、大豆油、アミノ酸類、ポリリン酸ナトリウム、ミネラル類、ビタミン類、保存料、酸化防止剤
ドッグフードの原材料のなかには名前を見てもどのようなものか想像しにいものも多いでしょう。わかりにくい原材料の意味を簡単に説明していきます。
- 肉副産物・ミート副産物:牛や豚、羊などの食肉部分以外の精製されていない組織(脳や胃腸、肝臓などの内臓)
- 肉粉・ミートミール:肉副産物を乾燥させて粉状にし、脂肪分を取り除いたもの
- ミートボーンミール:ミートミールの使用部位に加えて骨も含んで粉状にしたもの
- ビートパルプ:砂糖の原料にもなる植物で、ドッグフードには食物繊維源として使用される
- 動物性油脂:牛脂(タロー)、豚脂(ラード)、鶏油(チキンオイル)、魚油(フィッシュオイル)など動物から抽出した油分
ドッグフードの原材料に表示されていたら注意するべきものをご紹介します。これらを含むドッグフードがすべて悪いというわけではありませんが、安くするために粗悪な材料を使っている場合があるので注意が必要です。
肉副産物・ミート副産物
食用の肉を加工する際に不要となる臓器や骨、血液などを含む肉副産物・ミート副産物を使用しているドッグフードは少なくありません。
これは食用肉より安価だからという理由で使われますが、本来は廃棄する部位であり、4Dミートが含まれている可能性もあるため控えた方が安心です。
以下の状態の肉を頭文字をとって4Dミートと呼びます。
・Dead=死んでいる
・Diseased=病気
・Dying=死にかけ
・Disabled=障害・怪我
肉粉・ミートミール
食用肉の破棄部位のなかで、血液や歯、皮、糞なども混ぜて粉状にし、脂肪分を取り除いたもの。肉副産物と同じく病気の動物や死骸が使われていることもあり、粗悪な原材料としてよく挙げられています。
動物性油脂
動物性油脂は犬の食いつきをよくするために使われていることも多く、脂質は必要なものですが、どのような動物から抽出した油分を使っているのか不明瞭です。
多くはレンダリング工場での廃肉処理過程で作られているといわれています。ドッグフードの表面がベタベタしていたら、ほとんどの場合がコーティングに使われている動物性油脂です。
鶏油や豚脂など具体的に表示されているものが安心だね!
ドッグフードに使われる添加物
ドッグフードには賞味期限を長くするためや食いつきをよくするため、加工のために以下のような添加物が使われています。
- 保存料
- 着色料
- 香料
- 酸化防止剤
- 保湿剤
添加物には化学添加物と天然由来の添加物があり、化学添加物のなかには発がん性があるものも。無添加ドッグフードには体に優しい天然由来のものが使われています。
化学添加物のなかでも以下のものは特に避けた方が良いといわれることが多いです。発ガンや染色体異常、アレルギー発症などの危険性があります。できるだけ安全なドッグフードを与えられるよう、これらの表示があるものには注意しましょう。
- エトキシキン(酸化防止剤)
- BHA・BHT(酸化防止剤)
- 赤色3号・40号・102号、青色2号・102号(着色料)
- ソルビン酸カリウム(保存料)
- 亜硝酸ナトリウム(保存料)
ドッグフードは成分と原材料を見て選ぼう!
ドッグフードの成分や原材料についてご紹介してきました。人が食べる食品に比べてわかりにくい表示も多く、困惑することもあるかもしれません。危険といわれる化学添加物やミートミールなどを避け、できるだけ安心して与えられるものを選びましょう。