愛犬が急に食欲不振になったり、激しい下痢や嘔吐をしたりする場合、胃に何かトラブルを抱えているかもしれません。
なかには命の危険に関わる胃の病気もあります。ここでは犬に多い胃の病気を原因や症状とともにご紹介するので、病気の予防や早期発見につなげましょう。
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犬の胃の病気①急性胃炎
胃炎は胃の粘膜に炎症が起き、様々な症状が出る病気です。数日ほどで治るものは急性胃炎、数週間以上続くものは慢性胃炎と呼びます。
犬の急性胃炎の原因は多くの場合、犬が摂取してはいけないものを食べてしまったことによるものです。
犬にとって中毒性のある食べ物や毒物、植物の誤飲には要注意。そのほか、回虫やフィサロプテラなどの寄生虫、ジステンパーなどのウイルス性細菌の感染で胃炎を起こすこともあります。
- よだれ
- 嘔吐を繰り返す
- 脱水症状
- 吐しゃ物の中に血
犬の胃の病気②出血性胃腸炎
胃や腸の炎症が悪化し、出血までに至る状態を出血性胃腸炎といいます。元気な犬にも急に症状が現れるのが特徴です。
出血性胃腸炎の原因ははっきりとはわかっていませんが、胃腸内での過剰な免疫反応ではないかと考えられています。
- 急に元気がなくなる
- ジャムのような赤黒い血便
- 嘔吐
- 食欲不振
犬の胃の病気③胃潰瘍
胃潰瘍は胃の粘膜が深く損傷し、ただれたりえぐれたりしている状態のことです。突然発症し、急激に悪化する急性のものと、ゆるやかに経過する慢性のものがあります。
人の胃潰瘍の原因はストレスや細菌感染が挙げられますが、犬の胃潰瘍の多くは薬の服用に伴うものです。
非ステロイド性抗炎症薬などを長期間服用した場合、副作用として胃潰瘍になることがあります。その副作用を予防するために胃腸薬も一緒に処方されることが多いです。
そのほか、ヒスタミン産生性の腫瘍や敗血症のショック、肝疾患などが原因で胃潰瘍になることもあります。
- 嘔吐
- 吐血
- 血便
- お腹を触られるのを嫌がる
- 背中を丸めた姿勢をとる
犬の胃の病気④胃拡張
胃拡張は胃にガスや液体が過剰に溜まり、胃が膨らんだ状態になることをいいます。シェパードやラブラドール、ゴールデンレトリーバー、ボクサーなど、大型犬に多い病気です。
胃拡張のはっきりとした原因は不明ですが、大量のドライフードを食べた後に水を飲むことで、ドッグフードが胃の中で膨張することが要因のひとつになることがあります。
また、食後の過度な運動も胃拡張を引き起こす原因に。食事の与え方や食後の運動に注意が必要です。
- 吐きたそうなのに嘔吐できない
- お腹を触られるのを嫌がる
- 元気がない
- 腹部がパンパンに張る
犬の胃の病気⑤胃捻転
胃拡張が悪化すると、胃が捻れてしまい胃捻転を引き起こすことがあります。胃捻転になると血液循環が悪化し、ショック状態に。発見が遅れると死に至ることもある大変危険な病気です。
胃拡張も胃捻転も原因がはっきりとはしていませんが、一度に大量のドッグフードを食べたり早食いしたりすることや、食後の激しい運動が要因になると考えられています。
- 腹部がパンパンに張る
- お腹を触られるのを嫌がる
- 嘔吐
- 頻繁なゲップ
- 水を大量に飲む
- 食欲不振
- よだれ
- 吐きたそうなのに嘔吐できない
犬の胃の病気⑥幽閉狭窄症
幽閉狭窄症は、胃の出口である幽閉部が何らかの原因で狭窄してしまい、胃の内容物がスムーズに十二指腸へ流れていかない状態のことをいいます。
幽閉狭窄症の原因は、胃がんや胃十二指腸潰瘍瘢痕といった胃の病気のほか、胃の周辺にある臓器の病気(膵がんや大腸がん)により胃が圧迫されることなどが挙げられます。
- 嘔吐
- ゲップ
- 腹部が張る
愛犬の異変を見逃さないように!
犬の胃の病気では、主に食欲不振、下痢、嘔吐などの症状がみられます。日頃から愛犬の食欲や便の状態をよく確認し、小さな異変にも気付けるようにしておきましょう。
出血性胃腸炎など、元気だった犬が数時間で急にぐったりして多くの症状が現れることもあるので、緊急時に相談できる動物病院もみつけておいてください。
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