犬も人間と同じようにストレスを感じることがあります。生活環境や運動習慣、飼い主さんの機嫌など、犬がストレスを感じる原因はさまざまです。
ここでは犬のストレスの原因や解消方法、ストレスが原因となりうる病気などについてまとめてご紹介します。愛犬がストレスを溜めないよう工夫しましょう。
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犬のストレスの原因
犬がストレスに感じる状態や環境についてご紹介します。ちょっとしたことでも毎日少しずつストレスが溜まっていき、体調を崩すこともあるので注意が必要です。
犬は基本的に体を動かすことが好きで、散歩や遊びなどが十分でなく運動不足になるとストレスを感じやすいです。他の原因でストレスを感じている犬にとっても、適度な運動はストレスの解消に役立ちます。
食事の量が足りなかったり、長時間空腹状態や喉の乾きが続たりすると、犬は精神的にも肉体的にもストレスを感じます。運動量が多い子にはドッグフードに記載の目安量より多めに与えるなどの調整が必要です。
ドッグフードの量の目安は?必要なカロリー量の計算方法や注意点まとめ愛犬が飼い主さんと同じリビングなどで過ごす場合、照明が明るすぎるとゆっくり眠れません。
また、嗅覚の優れた犬にとってタバコや香水などの匂いは強烈でストレスの原因に。花火や雷など大きな音はもちろん、テレビの音量なども愛犬のストレスになっているかもしれません。
飼い主さんが暑いと感じているとき、体中が毛で覆われた愛犬はさらに暑く感じていることが多いです。
部屋が暑すぎたり寒すぎたりするのは犬にとっても不快な環境でストレスの原因になります。愛犬の寝る場所やトイレを汚れたまま放置するのもNGです。
寂しがりやの犬にとって飼い主さんが出かけている時間は、寂しさと不安でストレスを感じている可能性が高いです。留守番中に寂しさを紛らわすためにいたずらする子もいるでしょう。子犬のときから留守番に慣れさせておくことが大切です。
病気や怪我をしているのにそのままにしていると、痛みが続いて大きなストレスとなります。しつけのためといって、愛犬を叩くのもよくありません。飼い主さんの手を見る度に叩かれるのかな?と怖い思いをするようになる可能性があるので要注意です。
犬のストレスで飼い主さんに原因がある場合
愛犬は飼い主さんの行動をよく見ており、ちょっとした変化にも敏感に反応します。以下のような行動は愛犬のストレスの原因になりやすいので、改善したり、ストレスを最小限に抑えたりする工夫をしましょう。
縄張り意識の強い犬にとって、飼い主さんと暮らす家は安心できる自分のテリトリーです。引っ越しをすると、突然未知の場所に連れて来られたと感じ、不安になったりストレスを感じたりします。
問題行動を起こさせないためにも、愛犬の生活スペースは以前までとなるべく同じにし、数日間はひとりで長時間留守番させない方がいいでしょう。
飼い主さんとのスキンシップは愛犬にとっても幸せな時間ですが、構いすぎるとストレスになることもあります。愛犬がひとりでゆっくり休める場所と時間をつくるのも大切です。
飼い主さんが不安になったり怒ったりしているとき、愛犬が心配するように寄り添ってきたという経験がある方はいるのではないでしょうか。
犬は一緒に暮らす家族の行動をよく見ており、家族が喧嘩している様子などを見るとストレスを感じることがあります。
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犬はストレスを感じると問題行動を起こし、それが誤飲や怪我などにつながる危険性があります。ストレスが原因で病気になることもあるので、ストレスサインを見逃さず、早めに対処することが大切です。
ストレスが原因の病気には胃腸炎、胆嚢炎、胆管炎、膵炎などがあり、嘔吐や下痢、食欲不振などの症状でさらに苦痛やストレスを感じることになります。
ストレスが溜まりすぎると免疫不全が起こり、皮膚や内臓など身体のさまざまな部位に症状が出る可能性も。免疫不全は悪化すると命を落とす危険性もあるので要注意です。
犬のストレスサインとは
愛犬がストレスを感じているか知るには、日頃から愛犬の行動をチェックしてストレスサインを見逃さないことが大切です。以下のような行動がみられたら、何がストレスの原因になっているか特定し、ストレスの原因を取り除いてあげてください。
犬は人間と同じように眠いときにあくびをします。しかし、眠そうにしていないときのあくびはストレスサインの可能性が高いです。
相手に敵意がないことを表すためにあくびすることも多く、飼い主さんに叱られているときのあくびは「もうやめて、落ち着いて」と伝えています。決して飼い主さんの言うことを無視しているわけではないので、さらに叱らないように。
犬が自分の尻尾を追いかけてくるくる回っている姿を見たことがある飼い主さんは多いでしょう。遊びで行うこともあれば、尻尾やお尻に何か違和感があるという可能性もあります。
しかし、多くはストレスが原因といわれており、この行動をすることでストレスを解消しようとしているとか。出血するまで尻尾を噛んでしまう子もいるので注意しておきましょう。
愛犬がもし自分の足を舐め続けたり噛んだりしている場合は、ストレスを紛らわせるためかもしれません。舐める部分に怪我などない場合はストレスが原因であると考えましょう。
犬が繰り返し遠吠えしたり、激しく吠えたりする行動もストレスを感じているからという可能性があります。叱るのではなく、ストレスの原因を突き止め、取り除いてあげることが大切です。
犬が吠える理由は?理由別のしつけ方法や注意点まとめ犬は体が濡れた時や耳に違和感がある時に体をブルブルと震わせます。この行動はストレスを感じた時にもみられ、体を震わせることでストレスを紛らわしたり解消したりしようとしているそうです。知らない人に触られた後などにすることが多いです。
愛犬が落ち着きなく同じ場所を行ったり来たりしている場合は、何か不安なことがありストレスを感じているのでしょう。家に来客があったり、ペットホテルに預けられたりした時などにこの行動がみられます。
愛犬のストレスチェックリスト
愛犬にストレスを感じさせないために一度見直しておきたいことをチェックリストでご紹介します。以前と生活を変えていないとしても、成長していくにつれて愛犬にとっての最適な環境が変化していくことを忘れず、柔軟に対応していきましょう。
自分で食事の準備ができない犬にとって、飼い主さんが与えてくれる食事や水は生きるためにとても大切なもの。成長段階や体調に合わせて適切な食事量を調整する必要があります。
食事が足りずに空腹状態が続くとストレスになりますが、喜ぶからといって与えすぎると肥満やそのほかの病気の原因になるので要注意です。
愛犬の過ごす場所の気温や湿度が犬にとって不快な環境になっていませんか?屋外飼いの場合は、特に注意が必要です。視覚、聴覚、触覚的情報や刺激が愛犬のストレスになっていないかも確認しましょう。
犬の怪我や病気のなかには、ぱっと見ではわかりにくいものもあります。日頃から愛犬の食欲やうんちの状態、体の動き方などをチェックし、異変に気付けるようにしてください。気になることがあったら動物病院で検査してもらいましょう。
犬の健康診断で病気を早期発見!検査内容や費用まとめブラッシングやマッサージなどのスキンシップは愛犬とのコミュニケーションだけでなく、怪我の発見などにもつながる大切な時間です。声をかけながら優しく撫でてあげましょう。定期的に新しいおもちゃを与えて新しい遊びを楽しませてあげるのも大切です。
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生活環境を改善する
愛犬のベッドやトイレは汚れていないか、あまり近くになりすぎていないかを確認し、部屋の温度や湿度も過ごしやすいよう調整してください。
愛犬が誰にも邪魔されず、ひとりでゆっくりできる空間も必要です。
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ドッグフードには1日に与える目安の量が表示されていますが、運動量が多いワンちゃんにとってはその量では足りない場合があります。
運動量に合わせて食事量を調整してあげましょう。また、シニア犬は味覚や嗅覚が衰えて、食の好みが変わることがあります。ドッグフードを変えたりトッピングを追加したりして、食欲が湧く工夫をしてあげてください。
散歩やスキンシップ
散歩はできるだけ1日2回し、時々新しいルートにするなどして愛犬の好奇心や探究心を満たしてあげます。
散歩や遊びによってストレス解消だけでなく、疲れてぐっすり眠れるようになります。飼い主さんに愛されていると感じることもストレス解消につながるでしょう。
ストレス解消のおもちゃやおやつを活用
犬のなかにはストレスが溜まった時にスリッパや家具を噛んでストレスを紛らわそうとする子もいます。そんな子には長時間嚙めるおやつやおもちゃを与えましょう。
愛犬のストレスサインを見逃さないようにしよう!
犬のストレスの原因やストレスサインとなる行動についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?犬は飼い主さんが思っている以上に繊細で、ちょっとしたことでも大きなストレスを感じていることがあります。
愛犬にあくびや身震いなどストレスサインがみられたら、ストレスの原因が何なのかを考え、その原因をなるべく早く取り除いてあげることが大切です。日頃から適度な運動やスキンシップも心がけ、ストレス発散の機会も与えましょう。