犬のマイクロチップ装着に義務化の動きがあることはご存知ですか?マイクロチップは動物のIDの役割があり、ペットが迷子になったときなどに飼い主さんの元へ戻るための手助けとなります。
迷子札と違い、皮下に埋め込むものなのでなくなる心配もありません。ここではそんなマイクロチップのメリットやデメリット、装着・登録方法などについてまとめてご紹介します。
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犬のマイクロチップとは?
犬や猫、その他ペットとして飼われる動物などに装着されるマイクロチップは、様々なデータが入っている動物のIDのようなものです。大きさは直径約1〜2mm、長さ約1cmで、生体適合ガラスやポリマーで覆われた円筒状になっています。
犬のマイクロチップにはメーカー独自の規格のものもありますが、日本の動物ID情報データシステム(AIPO)では、国際標準化機構(ISO)が定める規格に準拠したマイクロチップでのデータ登録を行っています。
海外では日本とは違う規格のものが一般的なこともあるから、住む場所によってマイクロチップの種類を選んでね!
マイクロチップの耐久性
マイクロチップの耐久年数は約30年とされており、電池なども必要ないので、一度埋め込むと半永久的に作動します。
マイクロチップのデータ
犬に装着するマイクロチップには15桁の数字が記録されており、これらの数字から国・動物・メーカー・個体識別番号のデータがわかります。
この数字に飼い主さんのデータを紐付けして登録することで、愛犬が迷子になったときなどに飼い主さんの元へ戻る助けに。
マイクロチップの読み取り
装着済みのマイクロチップは専用の読み取り機(リーダー)をかざすことでデータの読み込みが可能です。違ったメーカーの機械では読み取りができません。海外に移住するなどの予定がない限り、ISO規格のマイクロチップを選ぶのがおすすめです。
ISO規格のマイクロチップの読み取り機は、全国の動物保護センターや保健所、動物病院などに置かれています。
犬のマイクロチップは義務化される?
ヨーロッパの国々を中心にペットのマイクロチップ装着・登録が義務付けられている国があります。義務化されていなくても、迷子になったときのためにマイクロチップを装着するという飼い主さんも少なくありません。
日本では2022年6月頃までに、犬・猫を販売するペットショップやブリーダーなどを対象にマイクロチップの装着が義務化される見込みです。
ペットショップやブリーダーから犬を迎えた場合、装着済みのマイクロチップの登録内容変更届を出し、愛犬と飼い主さんの情報を紐付けることが必要となります。2021年9月現在は罰則はありませんが、今後はルールが変更されるかもしれません。
今飼っているペットに必ずマイクロチップを装着しなければいけないということはないので安心してね!
犬のマイクロチップの装着方法
マイクロチップの装着は必ず獣医師によって行われる必要があります。動物病院で注入針のついたインジェクターを使って犬の皮下に埋め込みます。
装着する前には専用のリーダーを使ってマイクロチップのデータが正しく読み取れるかを確認することが大切です。注入針をみると針が太くて痛そうと思うかもしれませんが、一瞬で埋め込まれるのでそれほど苦痛を与えることはないとか。
注射がストレスになってかわいそうという場合は、避妊や去勢手術のときにマイクロチップを装着することもできます。麻酔がきいているので痛みを感じずに装着可能です。
犬のマイクロチップのデータ登録方法
マイクロチップの装着が完了したら、次は飼い主さんの情報をマイクロチップの番号に紐付けします。動物病院で獣医師から登録用紙を受け取り、飼い主さんの情報(氏名・住所・電話番号・緊急連絡先・メールアドレスなど)を記入。
登録料(1,000円)を振込み、登録用紙に受領書を貼って専用封筒で郵送します。記入内容に不備がなければ約2〜3週間で登録完了です。
マイクロチップ料金に登録料が含まれている場合もあるから、獣医さんに確認してね!
登録内容の変更・削除方法
マイクロチップに登録してある情報を変更する必要がある場合、「公益財団法人日本獣医師会:マイクロチップ登録申請システム」でオンライン申請ができます。ペットが亡くなった場合は登録済のマイクロチップデータの削除手続きをしてください。
犬のマイクロチップ装着・登録費用は?
マイクロチップの装着費用は動物病院によって様々ですが、3,000〜6,000円程度が目安です。データ登録料金は別途で1,000円かかります。
ペットのマイクロチップ装着を推奨している市町村などでは、費用の助成金制度もあるので、問い合わせしてみてください。
ペット保険に入っている場合も保険負担になるかチェックしておこう!
犬のマイクロチップのメリット・デメリット
犬をはじめ、ペットの動物にマイクロチップを装着する飼い主さんが増えている理由は何でしょうか。安全性が気になるという方も多いかもしれません。犬にマイクロチップを装着するメリット、デメリットをチェックしていきましょう。
マイクロチップ装着の一番のメリットは、愛犬が迷子になったときなどに保護された場合、リーダーで読み取れば簡単に身元が確認できるということです。
地震などの災害で飼い主さんと離れ離れになったときも、マイクロチップがあれば飼い主さんを特定し、引き渡せる可能性が高まります。
日本では東日本大震災の際に、マイクロチップも迷子札もつけていないペットが迷子になり、保護されても飼い主さんが見つからないという例が多く、これをきっかけにペットのマイクロチップ装着を決めた方も増えたようです。
マイクロチップ装着のデメリットは、装着の際普通の注射の針よりも太いので、少しだけ痛みが強いということです。注射が苦手な子には部分麻酔を使ったり、他の手術の際に装着したりもできるので、獣医師に相談しましょう。
また、マイクロチップを装着することで副作用など、健康被害があるのではないかと心配な飼い主さんもいるでしょう。日本獣医師会によるとマイクロチップの体内における影響は認められていないそうです。
レントゲンやCTスキャンにも特に影響はないそうで、マイクロチップを入れたから何か問題が起きるというリスクは低いと考えられます。
犬の去勢・避妊手術のメリットやデメリットまとめ!費用や術後の注意点もマイクロチップで愛犬の身元確認が容易に!
犬や猫などの動物のIDとして役に立つマイクロチップについてご紹介してきました。愛犬が迷子になったり、盗難されたりして保護されたときにマイクロチップがあればリーダーで簡単に飼い主さんの情報と照合できます。
装着するときに一瞬チクっとしますが、一度入れてしまえば電池交換などの必要もなく半永久的に作動。副作用などはほとんど報告されておらず、安全性も高いとされています。
マイクロチップ装着済みの子犬を迎え入れたときは、データの変更手続きを忘れずに行ってください。