トイプードルを迎える予定の方やトイプードルを飼っている方必見!トイプードルがかかりやすいといわれている11の病気をまとめてご紹介します。
それぞれの病気の原因や症状、予防法をチェックして愛犬の病気の予防や早期発見に役立てましょう。
Table of Contents
トイプードルはどんな病気になりやすい?
トイプードルは病気になりやすい犬種と聞いたことがある飼い主さんもいるかもしれません。トイプードルが他の犬種に比べて様々な病気になりやすいということはありませんが、いくつかの病気は発症例が多いことで知られています。
トイプードルがなりやすい病気としてよく挙げられるのが、呼吸器や心臓の病気と目の病気です。遺伝が原因のものもありますが、飼育環境によるものもあるので、飼い主さんができる限りそれらの病気にならないよう予防してあげることが大切です。
トイプードルに限らず、小型犬種によくみられる関節の病気にも注意しておきましょう。
人気犬種プードルってどんな犬?種類・サイズ・性格などまとめ愛犬が膵炎・腸炎になった体験談はこちら
愛犬が膵炎に!祈りのポーズとは?症状や治療法・医療費まとめ【体験談】トイプードルがなりやすい病気①膝蓋骨脱臼
膝蓋骨と呼ばれる脚のお皿のような骨がずれたり外れたりしてしまう病気です。膝蓋骨が外側に外れることもありますが、内側に外れる膝蓋骨内方脱臼の方がよくみられます。トイプードルのような小型犬種がなりやすい病気です。
膝蓋骨脱臼は多くの場合、先天性や発育に伴って発症します。しかし、高いところから落下したり、事故などで打撲したりしたことが原因で骨が変形して膝蓋骨脱臼を発症することも。
膝蓋骨脱臼を発症しても無症状ということがあるので、飼い主さんが気付けないことがあります。症状が出る場合はスキップのような歩き方をしたり、つま先立ちをしたり、と歩き方に異常がみられます。
重度になると完全に脚がつけなくなり、強い痛みで鳴くことも。外科手術を受けずに済むよう、早期発見・早期治療が重要になります。
先天性の膝蓋骨脱臼の場合は予防ができませんが、外傷性の膝蓋骨脱臼を発症しないためには愛犬の膝に負担のかからない飼育環境を整えることが大切です。
フローリングで滑るのを防いだり、高いところからジャンプすることがないよう工夫したりしてください。
トイプードルがなりやすい病気②レッグペルテス病
レッグペルテス病は犬の股関節を形成している大腿骨頭が壊死し、関節炎や骨折を起こす病気です。1歳以下の小型犬種の発症例が多く、ほとんどの場合手術が必要になります。
レッグペルテス病の原因ははっきりとはわかっていませんが、遺伝的素因が影響していると考えられています。好発犬種はトイプードルやミニチュアピンシャー、ポメラニアンなどです。
股関節が痛むため、後ろ脚の歩き方に異常がみられます。発症している脚をかばうように歩いたり、つま先立ちをしたり、と膝蓋骨脱臼の症状と似ています。股関節辺りを触られるのを急に嫌がるようになったら要注意です。
レッグペルテス病は原因がわかっていないため、予防は困難とされています。好発犬種の飼い主さんは普段から愛犬の様子をよく観察し、歩き方に異常がみられたら早めに受診してください。
トイプードルがなりやすい病気③てんかん
人の脳疾患としてもよく知られるてんかんは、犬も注意が必要な病気のひとつです。発作的に繰り返される全身性の痙攣や意識障害などがみられ、好発犬種にはトイプードルやビーグル、ダックスフンドなどが挙げられます。
てんかんのなかで遺伝的素因が影響していると考えられており、はっきりとした原因が特定できないものは特発性てんかんです。
脳腫瘍、脳炎、水頭症、外傷などが原因のてんかんもあり、これらは症候性(2次性)てんかんと呼ばれます。
犬のてんかんでは以下のような症状がみられます。
- 落ち着きがなくなる
- 尻尾を追いかけながらくるくる回る
- よだれが出る
- 口をクチャクチャさせる
- 体や顔の一部に痙攣を起こす
- 全身痙攣を起こす
- 無意識に手足をバタバタさせる
- 意識を失う
てんかんは遺伝の可能性もあるといわれており、有効な予防方法がありません。てんかん持ちのワンちゃんと生活する場合は、なるべくストレスを感じさせず、良質な睡眠で脳をしっかり休ませられる飼育環境を整えてあげましょう。
犬の痙攣発作の原因となる病気は?てんかんの症状や対処法も解説トイプードルがなりやすい病気④僧帽弁閉鎖不全症
犬で最も多い心臓病で、シニア期の小型犬種によくみられる病気です。左心室と左心房の間にある弁(僧帽弁)が変形することで、左心室から大動脈へ血液を送り出す時に血液が左心房へ逆流してしまいます。
血液の逆流を防ぐ役割のある僧帽弁が変性し、正常に閉じなくなることが原因ですが、なぜ変性が起こるかはわかっていません。しかし小型犬種で多くみられることから、遺伝的な素因が影響していると考えられています。
発症してすぐは無症状ですが、興奮時や夜〜朝方にかけて痰を吐き出すような咳をすることがあります。なんとなく元気がない様子であったり、散歩ですぐに疲れてしまったりすることも。
悪化して心不全の状態になると、チアノーゼや不整脈による失神を起こすこともあり、命の危険に関わることもあるので注意が必要です。
有効な予防方法はありませんが、早期発見することで症状が悪化する前に適切な治療を受け、愛犬の命を守ることができます。しつこい咳や息切れ、疲れやすいなどの症状がみられたらすぐに病院へ。
犬の咳の原因や対処法まとめ!病院へ行くべき症状もチェックトイプードルがなりやすい病気⑤副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
犬の内分泌疾患(ホルモンの病気)のなかで最も発症例が多いのが副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)です。副腎皮質からコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されることで、様々な症状がみられます。
クッシング症候群は下垂体や副腎の腫瘍が原因で発症します。多くの場合良性の腺腫ですが、まれに悪性腫瘍の腺癌も。また、ステロイド剤の長期投与が原因でクッシング症候群を発症することもあります。
クッシンッグ症候群の代表的な症状は多飲多尿です。愛犬がたくさん水を飲むようになり、頻尿の症状もみられたら検査してもらうことをおすすめします。
その他、左右対称に脱毛したり、皮膚が薄くなったりという症状も。お腹が腫れたように膨らんでくることもあります。
腫瘍性疾患のため、予防することはできません。ステロイド剤を投与しており、クッシング症候群が疑われる場合は獣医師に相談してください。飼い主さんの自己判断で飲ませるのをやめさせてはいけません。
トイプードルがなりやすい病気⑥白内障
トイプードルは目の病気になりやすいと聞いたことがある飼い主さんもいるかもしれません。白内障はレンズの役割を果たしている水晶体が混濁してしまい、視覚に影響が出てくる病気です。
トイプードル、柴犬、ゴールデンレトリーバーなど好発犬種といわれています。
白内障の多くは加齢や遺伝によるものです。その他には外傷や薬剤が原因となったり、糖尿病などと併発して発症することもあります。
犬が白内障になると目の中が白く濁ったようにみえます。また、暗い場所が見えにくくなるため夕方以降の散歩に行きたがらなくなるという傾向も。
さらに視力が落ちてくるとものにぶつかったり、触られた時に過敏に反応して驚いたりします。
遺伝性の白内障は予防するのが難しいですが、点眼や内服薬で進行を遅らせることはできます。そのためにも飼い主さんが早期に発見してあげることが重要です。
トイプードルがなりやすい病気⑦緑内障
緑内障は眼球の前眼房と呼ばれる部分に循環している液体(房水)が、うまく眼球の外に出ないことで眼圧が高くなってしまう病気です。多くは中年齢から高齢の犬でみられます。
犬の緑内障は、遺伝的な目の構造による原発性(げんぱつせい)と、眼球内の炎症や腫瘍から引き起こされた二次性(続発性)があります。
二次性の緑内障の原因となる疾患はブドウ膜炎や白内障、網膜剥離など様々です。
緑内障の症状には以下のようなものが挙げられます。
- まばたきが増える
- 白目が充血する
- 目をかく
- 瞳孔が開く
- 眼球が膨らんで大きくなる(牛眼)
緑内障の明確な予防方法はありません。原発性緑内障で片目が緑内障になってしまった場合は将来的にもう片方の目も緑内障になる可能性が高いので、予防的な点眼治療を行います。
トイプードルがなりやすい病気⑧PRA(進行性網膜萎縮症)
PRA(進行性網膜萎縮症)は遺伝性の目の病気で、発症すると最終的には失明してしまいます。好発犬種はミニチュアダックスフンド、トイプードルです。
PRAは常染色体劣勢遺伝で親から子へ引き継がれる遺伝性疾患です。
PRAを発症すると以下のような症状がみられます。
- 暗いところで目が見えなくなる
- 夜の散歩を嫌がる
- ちょっとした物音に敏感に反応する
- ものにぶつかったり、段差で躓いたりする
- おもちゃを目で追えなくなる
遺伝子検査を行うことによって遺伝子変異を持っているかを調べることができるので、事前に調べてPRAを発症する子犬が生まれないよう繁殖計画を立てることが大切です。
トイプードルがなりやすい病気⑨外耳炎
外耳炎はトイプードルのように垂れ耳の犬種がなりやすい病気です。毛がたくさん生えた耳の中は湿気がたまりやすく、様々な原因で炎症が起きてしまいます。
外耳炎の多くは耳道に細菌や真菌がたくさん繁殖することが原因で、湿度が高くなる梅雨の時期などに悪化することがあります。
そのほか、耳ダニやアトピー、異物が耳に入ってしまうことなどが原因で発症することもあります。
外耳炎になると耳垢の量が増えます。耳がかゆくなるので、耳を引っかいたり床にこすりつけたりする仕草もみられます。頭を振ることが増えたという場合も注意が必要です。
外耳炎予防には耳を清潔に保つことが大切ですが、耳掃除をやりすぎると耳を傷つけてしまうので適度に行うようにしてください。
外耳炎は再発することも多いので、定期的に検診を受けることが大切です。梅雨の時期は特に気にかけておきましょう。
トイプードルがなりやすい病気⑩皮膚炎
皮膚炎はトイプードルに限らず、どんな犬種でも注意が必要な病気です。症状から原因を特定することが難しいことが多いので、愛犬の皮膚に異常がみられたら動物病院でしっかり検査してもらいましょう。
犬の皮膚炎の原因は花粉やハウスダスト、ダニなどを吸引すること、常在真菌のマラセチアが増えてしまうことなど様々です。皮膚の状態が悪いとマラセチアが異常に増え、マラセチア皮膚炎を発症していまいます。
皮膚炎になると体を痒がったり、皮膚が赤くなったりします。換毛期でないのに毛が抜けやすくなっている場合もよく皮膚の状態を確認してみてください。
アトピー性皮膚炎の場合はハウスダストやダニを吸引しないよう、こまめに掃除や換気をして愛犬が過ごす空間を清潔に保ってください。皮膚の健康のために栄養バランスのとれた食事、適度な運動、定期的なシャンプーも重要です。
犬のアレルギーの原因は何?症状や対処法まとめトイプードルがなりやすい病気⑪膿皮症
膿皮症は、細菌感染が原因で起こる皮膚疾患の総称です。主に犬の皮膚に常在するブドウ球菌が異常に増えた時に起こりますが、緑膿菌や大腸菌が原因となることもあります。
ホルモンの異常(例えば、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)など)や、アレルギー疾患で(アトピー性皮膚炎など)皮膚のバリア機能に異常が起きることがあります。
その結果、皮膚の常在細菌が過剰に増えてしまい膿皮症に。これらの疾患でなくても、皮膚のバリア機能が未熟な子犬は発症することがあります。
膿皮症になると皮膚が化膿し、脱毛や色素沈着などを引き起こすことがあります。愛犬がしきりに痒がったり、フケが出たりすることで皮膚の異常に気がつく飼い主さんも多いです。
膿皮症の予防には皮膚を健康に保ち、抵抗力を下げないことが大切です。良質な食事、快適な湿度や温度、シャンプー・ドライを適切に行うことなど飼育環境を改めて見直しましょう。
トイプードルがなりやすい病気まとめ
トイプードルがなりやすい病気についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?遺伝性の病気は予防するのが難しいですが、進行を遅らせることができる場合が多いので早期発見・早期治療が非常に重要となります。
日頃から愛犬とコミュニケーションをとりながら、体に異常がないか、変わった仕草をしていないかなどをよく観察しましょう。気になることがあったら早めにかかりつけの獣医師に相談してくださいね。
【2022】愛犬にピッタリのペット保険は?補償内容や保険料を簡単比較!