小さな体と大きな瞳が印象的で人気犬種のひとつであるチワワ。チワワを飼う時は、小型犬種によくみられる病気やチワワに発症例が多い遺伝性の病気などに注意が必要です。
ここではチワワがなりやすい病気を原因や症状などとともにご紹介します。遺伝性で予防が難しい病気も多いですが、愛犬の異変にすぐに気付き、病気の早期発見・早期治療につなげましょう。
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チワワはどんな病気になりやすい?
チワワは体重が3kg以下で、超小型犬種に分類されます。世界一小さな犬種としても知られているチワワがなりやすい病気には関節の病気や目の病気などが挙げられます。
病気だけでなく、散歩中や遊んでいる時のケガにも注意が必要です。高いところから飛び降りたり、床で滑って転んだりさせないようにしましょう。
チワワの種類は?被毛タイプ・体型・毛色を種類別にご紹介チワワがなりやすい病気①膝蓋骨脱臼
膝蓋骨と呼ばれる膝にあるお皿のような骨が正常な位置から外れてしまう状態のことを膝蓋骨脱臼(パテラ)といいます。内側に外れることも外側に外れることもありますが、多くの場合は内側に外れる内方脱臼です。
パテラは片足だけでなく両足に発症することもあり、悪化するといつも脱臼している状態になってしまいます。
パテラの原因には先天的なものと後天的なものがあります。先天的には成長期に骨や筋肉の形成に異常が生じ、発症してしまいます。
膝に強い衝撃がかかることで後天的に発症することも。交通事故や高いところからの転落などに注意が必要です。
膝蓋骨脱臼を発症すると散歩の際などに急に後ろ足を上げて、その足をかばうようにぎこちない歩き方になります。なるべく発症した足を地面につかないようにするので、スキップをしているようにみえます。
一時的な脱臼ですぐに正しい位置に戻ることもありますが、脱臼を繰り返し歩行が困難になってしまうこともあるので、愛犬の歩き方が変だなと思ったら無理に散歩させず、まずは動物病院で検査してもらってください。
チワワがなりやすい病気②水頭症
水頭症は脳の周りや脳の中の空洞部分に貯蓄され、クッションのような役割をしている脳脊髄液が過剰にたまってしまう病気です。過剰な髄液が脳を圧迫し、さまざまな症状が出ます。
水頭症の好発犬種はチワワ、マルチーズ、ポメラニアン、パグ、ペキニーズなどです。小型犬種や短頭犬種に多いといわれています。
水頭症の原因には先天性のものと後天性のものがあります。先天性水頭症の場合、頭部がドーム状に張り出していたり、両方の黒目が外側に向いていたりします。
後天性の場合は脳の損傷や腫瘍、脳炎などが原因に。犬の水頭症の多くは脳室に髄液が過剰にたまる内水頭症と呼ばれるものです。
水頭症の症状は脳の障害を受けた部位や程度などによって異なります。よく見られる症状としては、疲れやすくなる、痙攣発作、嗜眠などです。
神経障害、運動障害、視力障害などさまざまな症状が重なって出ることもあります。散歩中にふらふらと歩いたり、同じ場所をぐるぐる回ったりする行動がみられた時も水頭症の可能性を疑いましょう。
チワワがなりやすい病気③尿路結石
チワワはシーズーやポメラニアンなどとともに尿路結石になりやすい犬種に名前が挙げられることもあります。尿路結石は尿に含まれるミネラル成分が結晶化し、尿の通り道などで結石となりさまざまな症状を引き起こす病気です。
犬の尿路結石の原因は水分摂取量の低下や尿路感染症、偏った食事などです。水分が十分に取れていないと尿が濃くなり、結石ができやすくなってしまいます。
また、ミネラル分やタンパク質が多い食事も尿路結石の原因になることがあります。トイレの回数が少ないことも原因となりうるので愛犬がトイレを我慢することのないようにしてください。
尿路結石になると尿の量が少なくなったり、全く出なくなったりすることがあります。いつもトイレを失敗しない犬が粗相をしたり、一回の量は少なく頻尿になったりすることも。
排尿以外にも食欲不振、元気がない、嘔吐、低体温などさまざまな症状がみられます。おしっこは出ないのに排尿体勢を繰り返す場合も早めに検査してもらってください。
チワワがなりやすい病気④低血糖症
血液中の糖分濃度が低下してしまうことにより起こる病気を低血糖症といいます。血液中の糖分は脳のエネルギー源としてとても重要なものです。
そのため血糖値が著しく低下してしまうとさまざまな症状が引き起こります。犬の低血糖症は生まれたばかりの子犬の時期に発症することが多いですが、成犬でも他の病気と併発することがあります。
生後3か月頃までに発症する低血糖症の原因は食事から糖分を十分にとれていないこと、寒さやストレス、腸疾患などが挙げられます。子犬のうちは体内に糖分を十分に蓄えられないので、何も食べない状態が長時間続くと危険です。
成犬の場合は膵臓の腫瘍や副腎皮質機能低下症など他の病気が原因で低血糖症を発症することがあります。インスリンの過剰投与やキシリトール中毒にも注意が必要です。
低血糖症の主な症状は、ふらつき、食欲不振、全身性の痙攣発作などです。いつも元気な愛犬が急に散歩に行きたがらなくなったり、飼い主さんと遊びたがらなくなったりした場合も低血糖症の可能性があります。
チワワがなりやすい病気⑤気管虚脱
気管虚脱はチワワやパグなど、小型犬種や短頭犬種がなりやすい病気です。口や鼻から吸い込んだ空気を肺に運ぶ管(気管)がゆがんだり、押しつぶされたりすることで呼吸がしづらくなってしまいます。
気管虚脱はチワワをはじめとしたトイ種と呼ばれる犬種に発症例が多いことから、遺伝によるものと考えられています。しかし、はっきりとした原因は分かっておらず、暑さやストレスなども原因になるのではといわれています。
気管虚脱を発症すると呼吸に異常がみられます。初期には乾いた咳が続き、進行するとガーガーと音を立てて呼吸するように。
散歩や遊びの後だけ呼吸が激しくなることもありますが、悪化するとあまり体を動かしていないのに苦しそうな呼吸をします。
重度の場合は呼吸困難や失神などの症状を起こすこともあるので、早めに動物病院へ行き、適切な治療をしてもらうことが重要です。
チワワがなりやすい病気⑥僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症は、チワワ、トイプードル、ポメラニアンなど小型犬種に多くみられる心疾患です。左心房と左心室の間にあり、血液をスムーズに全身に送る働きをしている僧帽弁が正常に機能しなくなることで引き起こります。
中高齢で発症することが多く、メスよりもオスの方が発症しやすいといわれています。
僧帽弁閉鎖不全症は僧帽弁が変性することで引き起こりますが、なぜ変性してしまうのかはっきりとした原因はわかっていません。
発症の初期段階では無症状でなかなか気付くことができません。進行すると散歩を嫌がったり、苦しそうな咳をしたりするようになります。
さらに悪化し、肺水腫も発症してしまうと呼吸困難やチアノーゼを起こし、命の危険に関わることもあります。
犬のシニア保険おすすめ5選!老犬でも入れる補償内容や保険料も合わせて比較チワワがなりやすい病気⑦角膜炎
チワワのチャームポイントである大きな瞳は、傷つきやすくもあるので散歩中などに注意しておく必要があります。角膜炎は黒目を覆う角膜に炎症が起きてしまう病気です。
角膜炎の原因は目をぶつけたり、目にゴミが入ったりすることによる物理的な刺激のほか、白内障や緑内障など他の目の病気によるものもあります。
犬の角膜炎では以下のような症状がみられます。
- 白目が充血する
- 目をこする仕草をみせる
- 目の近くを触られるのを嫌がる
- 涙が増える
- 黒目が白っぽく見える
チワワがなりやすい病気まとめ
チワワがなりやすい病気についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?チワワは関節や目の病気やケガに注意が必要です。また、遺伝性の病気で症状が出にくいものもあるので定期的に検査を受け、病気の早期発見につなげることが大切です。
愛犬の飼育環境や食事の栄養バランスなどに気をつけ、健康で快適に過ごしてもらいましょう。
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