犬の病気には犬種を問わず発症例の多いものもありますが、遺伝性の病気をはじめ、ミニチュアダックスフンドが好発犬種とされているものもあります。
ミニチュアダックスフンドがかかりやすいとされる病気の症状や予防法を知り、愛犬の病気の早期発見や健康維持に役立てましょう。
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ミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気①マラセチア性皮膚炎
犬の皮膚炎にはさまざまな種類がありますが、そのなかでマラセチアという真菌(カビ)の一種が異常に増えて発症する病気をマラセチア性皮膚炎といいます。
原因は皮脂の分泌の増加や皮膚の抵抗力が落ちることなどで、好発犬種にはダックスフンド、シーズー、プードル、柴犬、パグ、フレンチブルドッグなどが挙げられます。
マラセチア性皮膚炎になると、皮膚に湿疹やフケがみられたり、強い痒みを伴うので激しく掻いたりすることが多いです。掻くことによって皮膚が黒ずんだり脱毛したりすることもあります。
特に皮脂がたまりやすい耳、口周り、下顎、脇や股などに発症することが多いので、それらの部位の皮膚にべたつきや湿疹がないか、痒がっていないかよく観察しましょう。
マラセチアは常在真菌であり、普段から犬の皮膚に存在しているものです。そのマラセチアを過剰に繁殖させないためには、定期的なシャンプーで皮膚の汚れや余分な脂を取り除く必要があります。
また、皮膚の健康維持にはバランスの良い食事も重要です。マラセチアが好む高温多湿の環境にも注意しましょう。年間を通して愛犬の過ごす空間の室温、湿度を快適に調整してあげてください。
ミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気②椎間板ヘルニア
ダックスフンドは胴が長く、足が短い体型をしており、腰に負担がかかりやすくなります。犬の椎間板ヘルニアは激しい運動や肥満などが原因で椎間板に負担がかかり、脊椎の神経を圧迫することでさまざまな神経症状を引き起こす病気です。
ミニチュアダックスは若いうちから発症することも多いとされているので、子犬の頃からこの病気に注意しておく必要があります。
椎間板ヘルニアでは腰を中心に手足にも痛みが及びます。愛犬が腰や手足を触られるのを嫌がったり、散歩に行きたがらなくなったりした場合は、椎間板ヘルニアかもしれません。
重度になると外科手術が必要となることもあるので、少しでも異変がみられたら早めに検査してもらってください。
椎間板ヘルニアの予防には適度な運動と肥満防止が効果的です。肥満予防のために運動は必要ですが、高いところから飛び降りたり、滑って転んだりしないよう注意しましょう。
家の床がフローリングの場合は、愛犬が通る場所にはマットなどを敷くことをおすすめします。ソファやベッドに乗る場合は愛犬用の階段を設置してあげるとケガのリスクが下げられるかもしれません。
チワワにトリミングは必要?人気カットスタイルや注意点まとめミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気③外耳炎
ダックスフンドといえば大きな垂れ耳が特徴ですが、垂れ耳や耳の中に多くの毛が生えているワンちゃんたち(トイプードルやミニチュアシュナウザーなど)は外耳炎に注意が必要です。
外耳炎は外耳道の形が変形したり、外耳道の自浄作用が低下することで発症する病気です。外耳炎の原因には構造的な問題のほか、耳ダニやマダニなどの寄生、アトピーや食物アレルギー、腫瘍などの疾患も挙げられます。
外耳炎を発症すると耳に痒みが出るため、耳をひっかいたり、地面にこすりつけたりします。外耳炎の犬の耳は脱毛や悪臭がする耳だれがみられることも。
音が聞こえづらくなって声かけへの反応が鈍くなる子もいます。重度になると頭を触られるのを嫌がったり、まっすぐ歩けなくなったりすることもあります。
外耳炎の絶対的な予防方法はありませんが、外耳炎の原因となる疾患を予防、コントロールすることでリスクを下げることは可能です。
アレルギーのある子には食事管理や室内環境の調整などでできる限りアレルギーが発症しないようにします。定期的に耳の洗浄を行い、耳の中をきれいに保つことも大切です。ただし、やりすぎは逆効果となるので注意してください。
ミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気④目の病気
ミニチュアダックスフンドは目の病気にかかりやすい犬種のひとつです。発症例の多い病気としては、進行性網膜萎縮症(PRA)と白内障が挙げられます。
進行性網膜萎縮症(PRA)は遺伝性の病気で、若いうちから発症することもあります。白内障は遺伝的な要因と外傷や加齢など、後天的な要因で発症する場合があります。
進行性網膜萎縮症(PRA)を発症すると暗いところで目が見えにくくなるため、夕方以降の散歩に行きたがらなくなったり、暗い部屋でものにぶつかったりするようになります。
白内障の症状は瞳が濁ったようになり、視力が低下してしまいます。症状の軽いうちは点眼薬で進行を抑えることが可能ですが、悪化した場合は外科手術も必要です。
PRAの予防には遺伝子検査を行い、事前に調べてPRAを発症する子犬が生まれないよう繁殖計画を立てることが大切です。
白内障の予防には外傷や糖尿病などに注意しておきましょう。遺伝性の白内障は予防するのが難しいですが、点眼や内服薬で進行を遅らせることはできます。
ミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気⑤甲状腺機能低下症
甲状腺は体の代謝を活発にする役割のある甲状腺ホルモンを分泌する器官です。この甲状腺の機能が何らかの原因で低下してしまう病気を甲状腺機能低下症といいます。
原因には免疫介在性と遺伝性による機能不全のほか、腫瘍や副腎皮質機能亢進症などほかの病気が影響している可能性も。高齢の犬にみられることが多いです。
甲状腺の分泌が減ってしまうと体をかたちづくる代謝に影響するため、全身にさまざまな症状がみられます。低体温、皮膚の色素沈着、脱毛などのほか、元気がなくなったり、顔つきが変わったりすることも。
高齢犬に多いことから単なる老化現象と思われる軽い症状の場合もあるので、定期的な健康診断で早期発見、治療に繋げることが大切です。
甲状腺機能低下症を予防する方法はありません。気付かないうちに進行することも多いので、高齢犬は特にはっきりとした症状がみられなくても血液検査で甲状腺ホルモンを測定してもらうことをおすすめします。
甲状腺機能低下症の老犬が寒い中外にいるとショック状態に陥ることがあります。冬の寒い日には屋外飼育の犬も室内に入れ、暖かくしてあげてください。
犬のシニア保険おすすめ5選!老犬でも入れる補償内容や保険料も合わせて比較ミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気⑥パターン脱毛症
パターン脱毛症は左右対称に脱毛する病気です。原因ははっきりとわかっていませんが、生後半年〜1歳頃までの短毛種やダックスフンドによくみられることから遺伝性の疾患であると考えられています。
パターン脱毛症では主に耳、鼻先、胸、お腹、内股などに脱毛がみられます。脱毛部位の分布が左右対称になるのが特徴で、完全に脱毛してしまう場合と薄毛になるだけの場合があります。脱毛以外の症状はないので、健康への心配は要りません。
原因がわかっておらず、予防法もありません。
ミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気⑦腎結石
腎結石は腎臓と尿管を接続する腎盂とよばれる部位に結石が形成され、腎臓機能などに影響が生じる病気です。原因は遺伝的なものと膀胱炎や尿道炎などの尿路感染症の可能性が考えられています。
結石にはいくつかの種類がありますが、ダックスフンドは遺伝的にシスチン結石になりやすいといわれています。
腎結石は結石が小さいうちは無症状ですが、進行すると血尿が出たり、食欲不振になったりします。結石が大きくなると急性腎不全を発症することもあるので要注意です。
腎結石の予防には栄養バランスの良い食事と肥満にならないための運動がポイントです。ミネラルの過剰摂取は結石ができるリスクを上げるので、ミネラルウォーターではなく、軟水や水道水を与えるようにしましょう。
再発しやすい病気なので治療が終わっても、獣医師のアドバイスに従い専用のドッグフードなどを与えるようにしてください。
日頃から愛犬をよく観察し病気の早期発見に!
ミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?ダックスフンドは大きく垂れた耳や胴長短足であることから、外耳炎や椎間板ヘルニアに注意が必要です。
遺伝性の病気は予防することが難しいですが、早期発見・治療することで短期間で治ることもあります。日頃から愛犬とのスキンシップをしっかり取り、すぐに異変に気がつけるようにしましょう。
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