体の小さなポメラニアンは小型犬に多い病気や遺伝性の病気に気をつけておきたいところです。ここではポメラニアンがかかりやすい病気を原因や発症した時の症状をまとめてご紹介します。
飼い主さんが愛犬の異変にいち早く気付き、病気の早期発見・治療に繋げられるようにしましょう。
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ポメラニアンはどんな病気を発症しやすい?
ポメラニアンは小さいながら体が丈夫な性質であり、かつては病気が少ない犬種といわれてきました。しかし、近年は過度な小型化などによってかかりやすいとされる病気も増えてきています。
先天性・遺伝性疾患では気管虚脱や脱毛症Xなどの発症例が多く、骨の細い小型犬に多い膝蓋骨脱臼や骨折などにも注意が必要です。
ポメラニアンは甘えん坊?性格の傾向や飼い方のポイントまとめポメラニアンが発症しやすい病気①気管虚脱
気管虚脱はチワワやパグなど、小型犬種や短頭犬種がなりやすい病気です。口や鼻から吸い込んだ空気を肺に運ぶ管(気管)がゆがんだり、押しつぶされたりすることで呼吸がしづらくなってしまいます。
気管虚脱はポメラニアンをはじめとしたトイ種と呼ばれる犬種に発症例が多いことから、遺伝によるものと考えられています。しかし、はっきりとした原因は分かっておらず、暑さやストレスなども原因になるのではといわれています。
気管虚脱を発症すると呼吸に異常がみられます。初期には乾いた咳が続き、進行するとガーガーと音を立てて呼吸するように。
散歩や遊びの後だけ呼吸が激しくなることもありますが、悪化するとあまり体を動かしていないのに苦しそうな呼吸をします。
重度の場合は呼吸困難や失神などの症状を起こすこともあるので、早めに動物病院へ行き、適切な治療をしてもらうことが重要です。
ポメラニアンが発症しやすい病気②膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝蓋骨と呼ばれる膝にあるお皿のような骨が正常な位置から外れてしまう状態のことを膝蓋骨脱臼(パテラ)といいます。内側に外れることも外側に外れることもありますが、多くの場合は内側に外れる内方脱臼です。
パテラは片足だけでなく両足に発症することもあり、悪化するといつも脱臼している状態になってしまいます。
パテラの原因には先天的なものと後天的なものがあります。先天的には成長期に骨や筋肉の形成に異常が生じ、発症してしまいます。
小型犬など骨の細いワンちゃんは膝に強い衝撃がかかることで後天的に発症することも。交通事故や高いところからの転落などに注意が必要です。
膝蓋骨脱臼を発症すると散歩の際などに急に後ろ足を上げて、その足をかばうようにぎこちない歩き方になります。なるべく発症した足を地面につかないようにするので、スキップをしているようにみえます。
一時的な脱臼ですぐに正しい位置に戻ることもありますが、脱臼を繰り返し歩行が困難になってしまうこともあるので、愛犬の歩き方が変だなと思ったら無理に散歩させず、まずは動物病院で検査してもらってください。
ポメラニアンが発症しやすい病気③環軸亜脱臼
環軸亜脱臼は頭部の回転運動を担う頚椎の関節が不安定になり、痛みや麻痺などさまざまな症状が出る病気です。亜脱臼は骨が完全に外れるわけではなく、一部が関節から突出した状態のことをいいます。
ポメラニアンは先天的な奇形で環軸亜脱臼を発症することがあります。骨折などのケガによって関節の安定性が失われて後天的に発症することも。
ポメラニアンの飼い主さんは遊びや散歩中など愛犬が骨折しないよう十分注意してください。
環軸亜脱臼を発症すると頸部の痛みや四肢の麻痺などの神経症状がみられます。愛犬がふらついていたり、うまく立てなくなったりすることで異変に気付く飼い主さんも多いでしょう。
悪化すると呼吸に支障が出てきて命の危険に関わることもあるので要注意です。
ポメラニアンが発症しやすい病気④脱毛症X(アロペシアX)
脱毛症Xは毛周期が休止期で停止してしまう脱毛症です。ポメラニアンやサモエド、シベリアン・ハスキーなどで発症例が多いことで知られています。
脱毛症Xの原因ははっきりとわかっていません。
頭部と手足の先以外に脱毛が起きます。完全に脱毛してしまう場合と薄毛になるだけの場合があります。脱毛以外の症状はないので、健康への心配は要りません。
ポメラニアンにトリミングは必要?人気カットスタイルやカットの際の注意点まとめポメラニアンが発症しやすい病気⑤僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症は、ポメラニアン、チワワ、トイプードルなど小型犬種に多くみられる心疾患です。左心房と左心室の間にあり、血液をスムーズに全身に送る働きをしている僧帽弁が正常に機能しなくなることで引き起こります。
中高齢で発症することが多く、メスよりもオスの方が発症しやすいといわれています。
僧帽弁閉鎖不全症は僧帽弁が変性することで引き起こりますが、なぜ変性してしまうのかはっきりとした原因はわかっていません。
発症の初期段階では無症状でなかなか気付くことができません。進行すると散歩を嫌がったり、苦しそうな咳をしたりするようになります。
さらに悪化し、肺水腫も発症してしまうと呼吸困難やチアノーゼを起こし、命の危険に関わることもあります。
ポメラニアンが発症しやすい病気⑥白内障
白内障の多くは加齢や遺伝によるものです。その他には外傷や薬剤が原因となったり、糖尿病などと併発して発症することもあります。
犬が白内障になると目の中が白く濁ったようにみえます。また、暗い場所が見えにくくなるため夕方以降の散歩に行きたがらなくなるという傾向も。
さらに視力が落ちてくるとものにぶつかったり、触られた時に過敏に反応して驚いたりします。
小型犬に発症例が多い病気に注意しよう!
ポメラニアンが発症しやすい病気についてご紹介してきましたが、お役に立てましたか?ポメラニアンは小型犬に多い病気のほか、自慢の毛にボリュームがなくなってしまう脱毛症、骨折などのケガなどに注意が必要です。
飼い主さんは日頃からたくさんスキンシップをとって、愛犬の体の異変に早めに気付けるようにしましょう。
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