メラノーマは気付かぬうちに肺などに遠隔転移し、愛犬を危険な状態にしてしまう恐ろしい病気です。
治療が手遅れになる前に愛犬の異変に気付き、適切な治療を受けさせられるよう、メラノーマの代表的な症状などを知っておきましょう。
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犬のメラノーマとは?
メラノーマ(黒色腫)はメラニンを産生する細胞が腫瘍化したもので、人と同じように犬の皮膚などにも発生することがあります。
良性のものと悪性のものがあり、良性のものはメラノサイトーマと呼ばれます。メラノーマは一度発症してしまうと完治が難しい病気です。
メラノーマはどこにできる?
メラノーマが発生しやすい部位は口腔内、皮膚、指趾、目など。メラノーマは皮膚腫瘍のなかでは比較的よくみられるものです。
発症しやすい犬種・年齢
皮膚のメラノーマは成犬から高齢犬に多く発生し、悪性メラノーマはシュナウザー、スコティッシュテリア、ゴールデンレトリーバー、ピンシャーなどが好発犬種に挙げられます。
目にできるメラノーマは犬種に関係なく、高齢犬で発生することが多いです。
犬のメラノーマの原因
メラノーマの原因は明確にはわかっていませんが、犬の場合は同じ場所への慢性的な刺激が原因ではないかと考えられています。
同じ場所への刺激となる原因として以下のような具体例があるので、心当たりがある場合はこれらを避けるようにした方がいいかもしれません。
- 硬すぎる餌やおやつを食べる
- 硬すぎるおもちゃを噛む
- 散歩中ずっとアスファルトの上を歩く
- 真夏に熱いアスファルトの上を歩く
なお、人のメラノーマは日光に当たることも原因と考えられていますが、犬はこの可能性は低いようです。
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メラノーマの進行はステージ1〜4の4段階に分けられます。ステージ1ではほとんど症状がなく、気付きにくいのが厄介な点です。
ステージ2では治療を行うことで余命が7〜8ヶ月、ステージ3以降の余命は3ヶ月ほどといわれています。
メラノーマの初期症状には以下のようなものが挙げられます。
- 口が臭い
- 歯茎から出血
- よだれに血が混じる
- ドッグフードを食べにくそうにする
- 黒い腫瘍ができる
メラノーマは黒色腫という別名があるように、黒く色素沈着していることが多いです。
愛犬の皮膚などに黒っぽく盛り上がっているものができたら、他に症状がなくても一度検査してもらってください。
メラノーマの進行がステージ3・4となると以下のような末期症状がみられます。
- リンパ節や肺に転移
- 肺に転移した場合は咳・呼吸困難など
- 口が臭い
- 体重減少
メラノーマは肺に転移することが多く、転移してしまうと激しい咳や呼吸困難を起こし、危険な状態となることがあります。
口腔内にメラノーマができた場合は口の臭いがひどくなり、足先にできた場合は運動が億劫になり食欲減退・体重減少などの症状も。
愛犬の元気がないのはなぜ?考えられる原因や対処法まとめ犬のメラノーマの治療法
メラノーマの治療には以下のような治療法が選択されます。
- 根治手術
- 緩和手術
- 抗がん剤治療
- 放射線治療
メラノーマの治療で第一選択に挙げられるのは手術による外科切除です。
メラノーマの手術では広範囲の切除が必要となることが多く、目の腫瘍が大きい場合には眼球摘出手術となることもあります。
手術に加えて抗がん剤による化学療法や放射線療法で補助療法を行うのが一般的です。
犬のメラノーマの予防法
メラノーマは原因が明確にわかっていないため、絶対的な予防法はありません。
しかし同じ部位への慢性的な刺激が原因かもしれないと考えられているので、口や足への慢性的な刺激はなるべく避けるようにしましょう。
早期に発見し、治療を開始することが余命に大きく影響します。日頃から愛犬とスキンシップを取り、体を触ったり目視したりしてメラノーマの疑いがないかよく確認してください。
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いかがでしたか?メラノーマはメラニンを産生する細胞が腫瘍化したもので、リンパ節や肺に転移して愛犬を命の危険にさらすこともある危険な病気です。
予防が難しい病気でもあるので、日頃から愛犬の口内や目、皮膚などをよく観察し、少しでも気になることがあったら早めに獣医師に診てもらってください。