マッサージやツボ押しは気持ちよいだけでなく、血行促進や疲労回復に効果的ですよね。人間と同じように犬にもツボがあり、マッサージでさまざまな効果が期待できます。
ここでは飼い主さんができる犬のマッサージ方法やおすすめのツボ、注意点などをまとめてご紹介します。マッサージをしながら、愛犬とのコミュニケーションを楽しみましょう。
Table of Contents
犬のマッサージは効果あり?
ペットの愛犬へのマッサージは必ずしも毎日しなければならないというわけではありませんが、精神的にも肉体的にも嬉しい効果が期待できるのでおすすめです。
マッサージをすることで全身の血行が良くなり、体が温まったりリラックスできたりします。病気や怪我の治療や術後に獣医師の指導を受けて家庭でリハビリマッサージを行うこともあるでしょう。
また、マッサージは飼い主さんと愛犬のコミュニケーション手段としても役立ち、さらに距離を縮めるのに効果的です。日頃から愛犬をマッサージすることで、皮膚や毛並みの変化にもすぐに気づくことができ、病気の早期発見につながります。
触られ慣れていると、動物病院やペットサロンでのストレスも軽減されるかも!
犬が喜ぶマッサージ方法
愛犬をマッサージする際のポイントを体の部位別にご紹介します。マッサージを始めるときは、まずゆっくり頭から背中を優しく撫でることから始めましょう。
犬の目の周りにはツボがあり、不安や緊張をほぐすことができます。両目の間から頭頂部に向かって何度か繰り返し撫でると効果的です。愛犬の緊張がほぐれたら次は耳へ。
犬の耳は人間の耳よりもよく動き、それだけ筋肉を使っています。親指と人差し指で挟んで軽く引っ張ったり、全体を優しく揉みほぐしたりしてマッサージしてあげましょう。
犬は頭を上げて歩いたり、飼い主さんを見上げたりすることで首に負担がかかっています。首のマッサージはできれば毎日してあげたいところです。
愛犬の背中側から首を両手で挟むようにして、円を描くようにマッサージします。ほとんど力は入れず、優しく撫でる感じで行ってください。
犬の背骨の両脇にはツボが集中しており、背中のマッサージは病気予防や健康促進に効果的です。ツボの位置がわからないという飼い主さんは、毛並みに沿って撫でたり、皮膚を引っ張ったりしてあげてください。
犬は弱点であるお腹をあまり見せたがりませんが、飼い主さんだけには見せるという子も多いでしょう。愛犬がお腹を見せてくれるのであれば、お腹のマッサージをするのもおすすめです。
お腹にある副直筋を上から下に向かって優しく撫でることで、筋肉のコリをほぐせます。おへその周りを時計回りにさするのは便秘解消に効果的です。
犬の足や肉球にもツボがあります。前足は内臓、後ろ足は代謝促進などの効果が期待できるとか。肉球のマッサージは疲労回復に効果的です。肉球は親指で下から上に押すようにマッサージしてあげましょう。
肉球が乾燥している時は保湿クリームを使ってね!
マッサージのイメージがわきにくいという方は以下のような動画を参考にするといいですよ!
犬の肉球はケアが必要?注意すべき症状やおすすめケア用品まとめ犬のツボ押しマッサージ
犬のマッサージは全身を優しく撫でたり、ブラッシングしたりするだけでも効果が期待できますが、ツボの位置を知って、ツボ押しマッサージするのもおすすめです。愛犬が病気や怪我をしている場合などは、獣医師に相談してからにしましょう。
愛犬がイライラしている時やストレスを感じているような時は以下のツボをマッサージしてみてください。個体差はありますが、落ち着かせられることが多いです。
- 攅竹(さんちく):左右の眉毛の内側にあるツボ。両手の親指で軽く押すようにしてマッサージすることで、愛犬のイライラとした気持ちを抑える効果が期待できます。
- 風池(ふうち):耳の後方、首の両脇のくぼみにあります。首や肩の筋肉のこりをほぐしたり、自律神経のバランスを調整したりするのに効果的です。
- 百会(頭百会):犬の頭頂部の一番高いところにあるツボです。親指でくるくる回すようにマッサージすることで、ストレスやイライラの改善が期待できるとされています。
チワワなどの小型犬は、頭頂部に頭蓋骨で覆われていない部分(モレラ)があることがあります。その場合は頭のマッサージはやめておきましょう。
犬のツボの中で病気予防や不調の改善に効果があるとされるものをいくつかご紹介します。病気の根本的な治癒にはならないので、病気が疑われる時はまず獣医師の診断を受けてくださいね。
- 膻中(だんちゅう):喉からみぞおちまで続く胸骨の下から1/4の部分にあるツボです。気の流れを整える効果があり、心臓や呼吸器の病気に有効といわれています。
- 神門(しんもん):犬の前足の手根球と呼ばれる肉球の近く、親指側のくぼみにあります。心を落ち着けるほか、便秘や車酔いなどにも効果的です。
- 腎兪(じんゆ):最も後肢よりの肋骨をたどり、中央の骨のでっぱりから3つ後ろのでっぱりのある骨の両側にあるツボです。犬のエネルギーのもとといわれるツボで、老化防止や骨を丈夫にするなどの効果が期待できます。
- 湧泉(ゆうせん):犬の後ろ足の一番大きな肉球のすぐ下にあるツボ。疲労回復の効果があるので、散歩や遊びのあと、寝る前などに優しく押してあげるのがおすすめです。
- 足三里(あしさんり):足膝と外くるぶしを結んだ線上の、上から1/4の位置にあります。食欲不振や下痢などの症状がみられるときに押してあげたいツボです。ただし、あまりに激しい下痢の場合は病院へ。
犬のマッサージの注意点
愛犬にマッサージやツボ押しをする時の注意点をご紹介します。愛犬のためを思ってしたことが、逆に愛犬のストレスにならないように気をつけましょう。
爪が長い場合は切っておく
マッサージやツボを押す時に愛犬の皮膚を傷つけないよう、飼い主さんの爪は短く切っておきましょう。犬のマッサージにはマッサージグッズを使わず、飼い主さんの手で行った方がいいです。超小型犬・小型犬など、指でツボを押すのが難しい場合は綿棒を使うのもおすすめ。
空腹時や食後は避ける
食事待ちをしている空腹時は食事が待ち遠しかったり気が立っていたりして、マッサージどころではないという子が多いでしょう。
食後すぐのマッサージも消化の妨げになる可能性があるので、食事の後しばらく経ってからマッサージをするようにしてください。夜の就寝前などがいいかもしれません。
突然始めない
くつろいでいる時や眠たい時に突然マッサージをされると、ワンちゃんは驚いたりストレスを感じたりしてしまいます。”マッサージするよ〜”など決まった声かけをしながら、優しく撫で、愛犬に嫌がるようすがなければマッサージを始めましょう。
寝ている時にマッサージをすると起こしてしまうこともあるので、その場合はマッサージはせずそっとしておいてあげてください。
手を温めておく
冷たい手で愛犬の皮膚に触れるとびっくりさせてしまいます。マッサージを始める前に手を擦り合わせたりヒーターの風にあてたりして、温かくなった状態で触れるようにしましょう。
始める前に体調チェック
妊娠中や怪我、病気の時などはマッサージをお休みしてください。最初に愛犬の体全体を触ってみて、皮膚に異常がないか、痛がったりしていないかも確認しましょう。
嫌がるところは触らない
犬によっては飼い主さんからであっても特定の部位を触られることを嫌がる子もいます。嫌がるのにマッサージを続けるとストレスになるので、その部分は避けるようにしてあげてください。
強く押しすぎないように
強めのツボマッサージが好みという飼い主さんもいるかもしれませんが、犬のマッサージは強くしすぎると危険です。愛犬が痛いと感じていないかをよく確認しながら、愛犬に合った程よい力加減をみつけましょう。
愛犬はマッサージが好き?嫌い?
マッサージが好きなワンちゃんや気持ちがいいと感じている時のワンちゃんは、リラックスした表情や態度になります。マッサージをする手を止めると、”もっとして”とお腹を見せたり、お手をしておねだりしたりする子も多いです。
一方、マッサージ中に唸ったり逃げようとしたりする場合は、マッサージが嫌いか触られているところが痛いなどの可能性が考えられます。あくびをするのも、ストレスを感じていてもうやめてほしいと思っているかもしれません。
マッサージが嫌いなワンちゃんには無理にする必要はありません。マッサージと考えずにコミニュケーションをとりながら愛犬が触られると気持ちいいところ、好きな触られ方などをみつけてあげるといいでしょう。
マッサージが好きだと以下のようなリラックスした表情を見せてくれますよ。
犬のストレスの原因は?ストレスサインや解消法まとめ犬のマッサージは嬉しい効果がたくさん!
犬のマッサージについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?愛犬にとって大好きな飼い主さんにマッサージしてもらうことは、とても嬉しいこと。加えて、マッサージは血行促進やストレス解消などの効果も期待できます。
マッサージ中に気持ちよくなって寝てしまう子もいるでしょう。病気や怪我の場合は獣医師に相談し、愛犬の症状に合った方法でマッサージをしてあげてください。