愛犬がむせるように咳をしていると、苦しそうで心配になりますよね。犬の咳には人間と同じように数回で止まる生理的なものと、心臓病や喘息などの病気が原因となっているものがあります。
犬の咳の原因となる生活環境や病気、注意すべき症状などを知り、愛犬の咳の症状に合わせて適切に対処するようにしましょう。
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犬の咳とは?
人間の咳は「コホコホ・ゴホゴホ」というような音が鳴るのに対し、犬の咳は「カッカッ」とむせるような乾いた音に聞こえることが多いです。
散歩中に首輪で喉が押されたり、冷たい空気を吸い込んだりした時に、このような一過性の咳をすることがあります。興奮して吠えすぎた時に咳が出る子もいるでしょう。
また、何かが喉に詰まった時もその違和感を取り除こうとしてむせるように咳をします。食事中や水を飲んでいる時によくむせる場合は、食器や水入れを変えるだけで改善するかもしれません。
犬が咳をする原因と考えられる病気
犬の咳が続く場合、病気が原因の可能性が考えられます。咳の症状が出る病気には以下のようなものがあり、症状が悪化すると呼吸困難に陥る危険性もあるので、十分注意が必要です。
- 肺炎
- ケンネルコフ
- 喘息
- 気管虚脱
- 心臓病
食べ物や胃の中のものなどが気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)や寄生虫・アレルギーなどが原因で、肺に炎症が起きる病気です。肺炎になると呼吸が苦しくなり、むせるように何度も咳をしたり、チアノーゼを起こしたりすることがあります。
ケンネルコフはウイルスや細菌などの感染が原因で起こる呼吸器疾患の総称です。初期症状では人間の風邪のように咳やくしゃみ、鼻水が出ることが多く、「犬の風邪」と呼ばれることもあります。
咳が治った後も吐き気が続き、10〜20日間ほど症状が治らないことも。特に免疫力の低い子犬やシニア犬は症状が悪化しやすいので注意が必要です。
感染力が高い病気なので、ドッグランやペットホテルなど他の犬と接触する機会がある場合はワクチンを接種しておくことをおすすめします。
気管支が収縮し、発作的に呼吸がしづらくなったり、咳が止まらなくなったりします。原因は感染症やストレスなど様々ですが、犬の喘息はアレルギー反応によるものが多いです。
咳が出るのに加え、雑音が混ざった呼吸、チアノーゼなどの症状がみられることがあります。アレルギー性喘息の場合、アレルゲンを特定し、喘息の原因となるものを取り除いてあげることが大切です。
アレルゲンは煙やダニ、花粉、化学薬品など様々なものが考えられるよ!
空気の通り道である気管が変形してつぶれてしまう病気です。むせるような咳が出たり、「ゼーゼー」と雑音が混じった呼吸になったりします。小型犬や短頭種に多くみられるとされていますが、遺伝によるものなのか、はっきりとした原因はわかっていません。
<気管虚脱になりやすい犬種>
チワワ・マルチーズ・ポメラニアン・パグ・シーズー・ブルドッグなど
加齢によってリスクの高まる心臓病は、発熱や咳、食欲不振、下痢など様々な症状がみられます。ちょっと運動しただけで疲れたり、動きたがらなくなったりすることも。
心臓病はある程度病気が進行するまではっきりとした症状が出ないことも多いです。愛犬のちょっとした変化に敏感に気付き、定期的に健康診断を受けることで早期発見・早期治療を可能にしましょう。
犬の健康診断で病気を早期発見!検査内容や費用まとめ犬の咳の対処法
散歩中にリードを引いた時や食事中に犬がむせるように咳をする場合は、生理的な咳の可能性が高いので様子を見ます。少し経っても、咳が治らずひどくなっていく時は場合によっては早急に動物病院へ連れて行く必要があるかもしれません。
愛犬の咳の原因が冷たい空気の吸引や早食い、首輪で喉が圧迫されたなどの場合は、数回程度で治ることが多いので、様子を見つつ以下の対処法を試してみてください。
- 空気の綺麗な場所に移動
- ドッグフードのボウルや水入れを変える
- 首輪やハーネスのサイズを調整
犬が咳をし始めた場所が煙たかったり、埃っぽかったりした場合は、空気の綺麗なところに移動して咳が落ち着くまで休ませましょう。
食事中や水を飲んでいる時にむせる場合は、食器の深さや食器置きの高さを調整してあげてください。早食い癖のある子は、早食い防止用のボウルを使ってみるのもおすすめです。
首輪やハーネスのサイズは適切かも確認しましょう。子犬の成長は早いので、想像以上に早くサイズが合わなくなる可能性があります。
ドッグフードの丸呑みはこんな危険も!愛犬の食事の安全性を高める方法をご紹介上記のような一過性の咳でなく、普段と違った咳をしているという場合は動物病院に連れていく可能性も考え、以下のような対処をしてください。
- 咳が始まったタイミングや症状を記録
- 咳以外の症状がないかチェック
- 体を支えて胸が潰れないような姿勢に
咳をし始めた前後で何か普段と変わったことはないか、異物誤飲などの可能性はないか、どのような咳をしているかなどを記録しておきましょう。動物病院では咳をしないかもしれないので、動画に撮っておくことをおすすめします。
咳以外に嘔吐や下痢、食欲不振、元気がないなどの症状がないかもよく確認してください。なるべく胸が潰れないような姿勢に支えてあげることで激しい咳が治まることもあります。
こんな犬の咳の時は病院へ
愛犬が咳をしているのに加えて、以下のような症状もみられる場合は早めに動物病院で診察してもらってください。移動の際はできるだけ胸元を押さえないように抱いてあげましょう。
- 口を開けて呼吸している
- 舌や歯茎が青白い(チアノーゼ)
- 呼吸が苦しくて横になれない
- ぐったりしている
- 発熱
- 食欲不振
長時間口を開けてハアハアと呼吸をしている場合や呼吸が苦しくて横に慣れない場合は、呼吸困難に陥っている可能性が高いです。舌や歯茎の色も確認し、もし青白くなっている場合(チアノーゼ)はすぐに病院へ。
発熱や食欲不振、ぐったりしているなどの症状も放っておくと急激に症状が悪化することもあるので様子を見ずに、動物病院に連れていきましょう。
愛犬の咳は危険な病気の可能性も!
犬が咳をする原因や注意すべき症状をご紹介してきましたが、いかがでしたか?生理的な咳であまり心配のいらないこともありますが、咳があまりに長く続いたり、咳以外の症状がみられたりする場合は病気が原因かもしれません。
呼吸困難に陥るなど、早急な治療が必要な場合もあるので、愛犬の咳が普段と違うと感じたら獣医師に相談するようにしてください。