愛犬がシニア期に入ると老化が原因の病気のリスクも増え、場合によっては入院や手術で高額な治療費がかかることがあります。
ペット保険には加入条件に年齢制限があるので、遅すぎて加入できる保険がなくなったということがないよう注意が必要です。
ここでは犬のシニア保険選びのポイントや注意点などをまとめてご紹介します。シニア犬が加入できる保険プランの比較表もぜひ参考にしてください。
Table of Contents
犬のシニア保険とは?
犬が何歳になったらシニア犬というかは明確に定義することが難しいですが、小型・中型犬では10歳頃から、大型犬では8歳頃からシニア期と呼ばれることが多いです。
最近は犬の寿命が伸びてきたことによって、シニア犬対象のペット保険も増えており、以前より選択肢が充実しています。
シニア保険の特徴は保険会社によってさまざまですが、他の保険プランに比べて保険料が高めで補償内容も異なるので、内容をよく確認して慎重に選びましょう。
ペット保険の用語や補償内容については以下の記事で詳しく説明しているよ!
高齢犬(シニア犬)がかかりやすい病気
シニア犬は心臓、呼吸器、消化器など体のさまざまな部分に不調があらわれるリスクが高まります。口の中のトラブルでは歯周病がよくみられ、重症になると細菌感染など死にいたる病気に繋がることも。
また、足腰の筋力も弱まるので、ちょっとした段差で転んだり、何かにぶつかったりして脱臼や骨折する可能性も高まります。以下はシニア犬がかかりやすい病気の代表例です。
- 心臓病
- 腎不全
- 歯周病
- 糖尿病
- 腫瘍
- 白内障
- 骨折
これらの病気に加え、犬種別に発症率の高い症例が補償対象かどうかもチェックして、愛犬に合ったシニア保険をみつけましょう。
白内障や歯の治療は補償対象外となっていることも多いのでよく確認してね!
以下はシニア犬がかかりやすい病気やケガの治療費の例です。病気の程度や手術の難易度、治療を受ける動物病院によって治療費は大きく異なり、これらは平均値を示しているわけではありません。正確な治療費はかかりつけの病院へお尋ねください。
犬の病気・ケガ | 治療費(手術あり) | 治療費(手術なし) |
---|---|---|
心臓病 | 70〜150万円 | 月1〜4万円 |
腎不全 | – | 1万円前後 |
歯周病 | 7〜10万円 | 1〜2万円 |
糖尿病 | – | 月2〜3万円 |
腫瘍 | 100万円前後 | 月6〜8万円 |
白内障 | 20〜30万円 | 目薬2,000円前後 |
骨折 | 10万円前後 | 8,000円 |
犬のシニア保険選びのポイント
愛犬のシニア保険を選ぶ際にチェックしておきたいポイントをご紹介します。シニア保険の場合は特にどの補償に重点をおくかで決めるという方が多いでしょう。
シニア保険を選ぶ時は補償内容をよくチェックしましょう。通院補償、入院補償、手術補償がすべて含まれているペット保険もあれば、入院や手術だけに特化したものもあります。
補償対象外となる病気もあるので注意が必要です。犬種別に発症率の高い症例があるので、加入前に調べてそれらが補償対象になっているか確認することをおすすめします。
<発症率の高い犬種の例>
・心臓病:キャバリア・チワワ・マルチーズ・シーズーなど
・椎間板ヘルニア:コーギー・ダックスフンド・ビーグルなど
・白内障:ダックスフンド・トイプードル・柴犬など
・骨折:ポメラニアン・チワワ・マルチーズなど
ペット保険には補償の割合が異なるプランが用意されています。プランによって50%・70%・90%などの選択肢があり、治療費のうちその割合分の保険金が請求可能です。
補償の割合が高いものほど保険料も高額になりますが、万が一の時に自己負担が少ない方が良いという方は補償の割合が高いものを選ぶといいでしょう。
ペット保険を選ぶ際は免責の有無もチェックしておいた方がいいです。免責金額が2万円と設定されている場合、治療費が2万円以下の時は保険がおりず、自己負担となります。
契約から補償が開始されるまでの待機期間(免責期間)も要チェックです。
犬のシニア保険で注意すること
シニア犬のペット保険を選ぶ際に注意しておくべきことがあります。後から契約時に思っていたのと違う!ということにならないよう、事前に以下の点を確認してペット保険選びをしてください。
犬が年齢を重ねるとともに老化が原因となる病気やケガのリスクが高まります。そのため、ペット保険の保険料も毎年上がるのが一般的です。
自動継続といっても継続には審査があり、加入期間中に病気にかかったか、どのくらい保険金を請求したかなどによって次の年からの保険料が値上がりしたり、契約を継続できなくなったりする可能性もあります。
シニア保険に限らず、ペット保険に加入する際は加入時の健康状態を告知する必要があります。もし、持病があったり、過去に心臓病や腎臓病などを患ったことがあったりする場合、契約ができないことも。
持病があっても加入できるペット保険もありますが、持病は免責となる場合が多いのでよく確認してください。
犬のペット保険①アニコム損保
2022年2月現在、全国約6,500の病院で窓口精算システムを採用しており、精算時に保険証を提示するだけで保険が適用されます。シニア保険は加入年齢上限なし。
どうぶつ健保しにあ:8歳以上(手術と入院のみ)
制限なし
年齢・犬種・プランによって変わる
- 8歳トイプードルの場合⇒3,070円
- 12歳トイプードルの場合⇒3,740円
- 8歳ビーグルの場合⇒3,290円
- 12歳ビーグルの場合⇒4,250円
どうぶつ健保しにあの場合(70%):1日最高14,000円・年間20日まで
どうぶつ健保しにあの場合(70%):補償対象外
どうぶつ健保しにあの場合(70%):1回最高140,000円・年間2回まで
- どうぶつ健康保険証あり
- LINE請求可能
- 他社保険重複可
犬のペット保険②アイペット損保
終身まで継続可能で、トリミングやしつけ教室などの提携施設で割引が受けられる優待サービスも利用できます。
12歳11ヶ月まで
制限なし
年齢・犬種・プランによって変わる
- トイプードル8歳の場合⇒5,670円
- トイプードル12歳〜終身の場合⇒8,510円
- フレンチ・ブルドッグ8歳の場合⇒9,980円
- フレンチ・ブルドッグ12歳〜終身の場合⇒15,650円
70%の場合:1日最高30,000円・年間22日まで
70%の場合:1日最高12,000円・年間22日まで
70%の場合:1回最高150,000円・年間2回まで
- 対応動物病院の窓口清算可
- ペット賠償責任特約あり
犬のペット保険③SBIいきいき少短のペット保険
WEB申し込みでペット保険の全期間保険料10%OFFなどのお得な割引制度が適用されます。
11歳11ヶ月まで
制限なし
年齢・犬種・プランによって変わる
- 小型犬6歳~8歳でスタンダードプランの場合⇒3,290円
- 小型犬11歳でスタンダードプランの場合⇒4,760円
年間最大補償額70万円までは無制限
年間最大補償額70万円までは無制限
年間最大補償額70万円までは無制限
犬のペット保険④ペッツベスト
補償内容や金額など、組み合わせは全部で28通り。窓口精算には対応していないものの、保険金の支払までの日数が比較的早いです。
12歳11ヶ月まで
制限なし
年間最大補償額50万円・免責金額2万円・支払割合80%・特約なしプランの場合
- トイプードル8歳の場合⇒3,090円
- トイプードル12歳の場合⇒5,350円
13歳以降は更新時にお知らせ
年間最大補償額までは無制限
年間最大補償額までは無制限
年間最大補償額までは無制限
プレミアム特約
犬のペット保険⑤au損保
通院補償のありなしが選べ、保険金受け取りまでの日数が比較的短いです。
満9歳未満
制限なし
年齢・犬種・プランによって変わる
- トイプードル10歳の場合⇒7,110円
年間最大補償額までは無制限
年間最大補償額までは無制限
年間最大補償額までは無制限
24時間無料相談サービス(かかりつけ獣医師ダイアル)
犬のペット保険比較表
犬のシニア保険を比較してみていきましょう。ここでは、トイプードル・10歳・補償の割合70%(ペッツベストのみ80%)の条件でそれぞれの保険会社の該当プランをピックアップしています。
犬種や年齢によって保険料が変わることも多いので、保険会社の公式ページや比較サイトで愛犬の条件を入力して見積もりを確認してみてくださいね。
アニコム損保 | アイペット損保 | SBIいきいき 少短のペット保険 | ペッツベスト | au損保 | |
---|---|---|---|---|---|
月払保険料 (年払保険料) | 3,500円 (38,140円) | 6,990円 (81,380円) | 4,760円 (55,720円) | 3,790円 (42,660円) | 7,110円 (77,560円) |
通院補償 ・1回の限度額 ・年間限度日数 | なし | あり 12,000円 22日 | あり 無制限 無制限 | あり 無制限 無制限 | あり 無制限 無制限 |
入院補償 ・1日の限度額 ・年間限度日数 | あり 14,000円 20日 | あり 30,000円 22日 | あり 無制限 無制限 | あり 無制限 無制限 | あり 無制限 無制限 |
手術補償 ・1回の限度額 ・年間限度回数 | あり 14万円 2回 | あり 15万円 2回 | あり 無制限 無制限 | あり 無制限 無制限 | あり 無制限 無制限 |
年間最大補償額 | - | 122万4,000円 | 70万円 | 50万円 | 入院・手術70万円 通院28万円 |
請求方法 | 立替請求型 窓口精算型 | 立替請求型 窓口精算型 | 立替請求型 | 立替請求型 | 立替請求型 |
免責金額 | - | - | - | 20,000円/年 | - |
待機期間 | 病気:30日 がん:30日 | なし | 病気:30日 がん:30日 | 病気:30日 がん:60日 | 病気:30日 がん:30日 |
新規加入条件 | 8歳以上 | 〜12歳11ヶ月 | 〜11歳11ヶ月 | 〜12歳11ヶ月 | 〜10歳 |
タイプ別おすすめのペット保険
シニア犬のペット保険選びでこだわりたいポイント・タイプ別のおすすめの保険やプランをご紹介します。迷った時はぜひ、参考にしてみてください。
とにかく保険料を抑えたい
- ペッツベスト(フィット)
- アイペット損保(うちの子Light)
- アニコム損保(しにあ70%プラン)
通院補償を厚くしたい
- SBIいきいき少短のペット保険(プラン70スタンダード)
- au損保(通院ありタイプ70%コース)
手術に特化したい
- SBIいきいき少短のペット保険(プラン70スタンダード)
- au損保(通院ありタイプ70%コース)
重複加入したい
- アニコム損保(しにあ70%プラン)
- アイペット損保(うちの子Light)
ペット保険に重複加入する場合、告知義務が発生します。現在加入中の保険会社とこれから加入する保険会社のどちらにも重複加入する(した)ことを伝えなければなりません。
告知義務を怠ると保険金が請求できなかったり、契約を解除されたりする可能性があります。
犬のシニア保険選びは補償内容をよく確認!
犬のシニア保険についてご紹介してきましたが、お役に立てましたか?いくつかの保険会社が11〜12歳頃まで新規加入が可能な保険プランを用意しています。今は元気な愛犬も年齢を重ねると思いがけないケガや手術が必要な重い病気になり、高額な治療費がかかるかもしれません。
そんな時、シニア保険に入っていると治療費の一部を保険金として請求でき経済的に助かることでしょう。補償内容や免責、毎年の保険料などをよく確認し、ご家庭に合った無理のない保険プランを選びましょう。